仕事実践と組織スペースの関係性に関する理論的・経験的研究
Project/Area Number |
22K01624
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宇田 忠司 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (80431378)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | フリーランス / キャリア / 起業 / 意図 / 事業機会 / 協働 / 認識論 / 文脈 / 組織スペース / 実践 / コワーキング / 身体 / 現象学 / 仕事実践 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,働く人々の仕事実践と組織スペースの関係性を次の方法・手順で解明する。①先行研究を検討し,当該関係に関する理論枠組を構築する。②コワーキングスペース等で多様な人々の仕事実践の観察調査を行う。③当該関係の実態を解明するための量的調査を設計する。④正規・非正規従業員,フリーランス,小規模企業経営者,複合型を対象に量的調査を実施する。⑤観察調査と1回目の量的調査をもとに聞き取り調査を設計する。⑥聞き取り調査に着手する。⑦2回目の量的調査を行う。⑧量的調査結果をもとに質的調査の改善を図る。⑨質的,量的調査を完遂し,各結果を統合する。⑩当該現象の包括的実態とその背後に潜む力学を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,わが国における働く人々の仕事実践と組織スペースとの関係性を解明することである。研究期間の2年目である令和5年度の主要な成果は,次の5点である。すなわち,(1)理論的枠組の検討・洗練, (2)方法論的枠組の検討・洗練,(3)量的調査で用いる測定尺度の探索, (4)予備的観察調査の実施, (5)関連する成果物の公表,である。 (1)については,仕事実践と組織スペースに関する先行研究のレビューを重ね,関連する基本的な概念・理論から先端的な概念・理論まで幅広く整理・検討した。その結果,理論的枠組の確定に向けて確かな進捗を得られた。(2)については,とくに現象学的アプローチを中心に本研究の遂行に資する方法論の検討に取り組んだ。その結果,質的調査を実施する際の基本的な観点や手続きを把握することができた。さらに,関連する研究活動の一端を取りまとめ,国際的なブックシリーズに方法論に関する論考を投稿できた。 (3)については,とくに組織スペースに関する先行研究の探索・整理に努め,量的調査で用いる尺度の候補を収集できた。 (4)については,国内各地のコワーキングスペース等で予備的な観察調査を行い,利用者の仕事実践の様相に関する資料・知見を蓄積できた。(5)については,『1からのキャリア・マネジメント』や『中小企業・スタートアップを読み解く』といった本テーマに関連する図書などを公表できた。いずれも専門書というよりは,教科書・入門書に該当するが,本研究が着目する現代の多様な人々の仕事実践や変容する組織スペースに関する概念・理論,それらをより良く理解するための方法論,関連する国内外の先端的な動向・事例が盛り込まれている。 以上の成果は,本研究の目的達成に資するだけでなく,仕事実践と組織スペースに関する基礎的・先端的知見の公表という点で理論的・実践的に意義があるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度の主な研究計画は,(1)仕事実践と組織スペースの関係に関する1回目の量的調査を実施し,収集したデータの解析を行う, (2)当該関係を明らかにするための理論的・方法論的検討を成果として取りまとめる, (3)観察調査と量的調査の結果をもとに,聞き取り調査を設計し,調査に着手する,ことであった。 (1)については測定尺度の探索は概ね終了できたものの,質問票の設計・実施には至らなかった。 (2)については計画時よりも順調に進められた。具体的には,研究目的に関連する理論的展開や先端的事例などを取りまとめ,図書や学会報告を介して発表できた。とくに,本研究の質的手法の基盤となる方法論に関する論文を国際的に定評のあるブックシリーズに投稿できた。当該論文は,査読を経て掲載される見込みである。(3)については,観察調査をもとに聞き取り調査の設計に着手できているものの,(1)の進捗状況との兼ね合いで設計の完了・調査の開始までは至らなかった。 以上から上記の区分に該当すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究計画上,主として質的調査と量的調査の設計・実施に取り組んでいくことが求められる。 研究活動を推進するための主な方策として,次の二点が挙げられる。第一に,引き続き国内外の研究者や実務家(調査協力者も含め)と対面やオンラインで交流することが挙げられる。幸い,メンバーとして所属するResearch Group on Collaborative Spaces(RGCS: 協同型スペースにまつわる現象に関心のある研究者や実務家から構成される国際ネットワーク組織)は積極的にオンラインのセミナーやワークショップ等を開催している。また,これまでの活動を通して,コワーキングスペースを中心に組織スペースの立案・運営者や当該スペースにおいて仕事を実践する人々との結びつきも質的・量的に向上している。さらに,令和5年度の研究活動を通して,経営現象に質的にアプローチする方法について関心を抱く各国の研究者との繋がりを新たに得られた。以上のネットワークを適宜活用し,経営学や社会科学領域の先端的かつ示唆に富む理論,方法論,組織スペースに関する経験・実践等に関する情報・意見交換やデータ収集を行うことで研究の推進に努める。 第二に,質的・量的調査の過程において,博士課程の大学院生などにデータ整理といった研究補助を依頼する頻度をもう少し増やすことで,研究全体の遂行速度を高めることが挙げられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)