起業エコシステムの形成プロセス研究:協調関係形成を促すインキュベーターの役割
Project/Area Number |
22K01734
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渡邉 万里子 東京理科大学, 経営学部経営学科, 講師 (70736701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦澤 美智子 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (30715404)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 起業エコシステム / インキュベーター / 支援組織 / アクター間の協調関係 / 形成プロセス / インキュベーション拠点 / アクターネットワーク / 協調関係 |
Outline of Research at the Start |
本研究は起業を支援する文化-社会規範が低い地域での起業エコシステムの形成プロセスの解明を目的とする。起業が生まれやすい地域の仕組みである起業エコシステムの形成プロセスについて、各地域のコンテクストを考慮したモデルの検討を行う。本研究では起業を支援する文化-社会規範が低い日本の文脈に着目し、東京の起業エコシステムを対象として、域内の起業文化とアクター間ネットワークの形成を促進する支援アクター「インキュベーター」の役割を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「起業を支援する文化-社会規範が低い地域での起業エコシステムの形成プロセス」の解明である。本研究は、他のイノベーション主導型経済国と比較して起業支援の文化-社会規範が相対的に低い日本の特殊な文脈に着目し、2013年以降に発展した東京の起業エコシステムを対象として、域内の起業文化とアクター間ネットワークの形成を促進する支援アクター「インキュベーター」の役割について調査研究を行った。本研究は協調戦略、ネットワーク、知識創造の視点を組み合わせ、インキュベーターの戦略とその成果に関する(Ⅰ)事例調査とモデル導出、(Ⅱ)アンケート設計・調査、(Ⅲ)モデル実証を行い、起業エコシステムの持続的発展に寄与する支援アクターの評価に資するモデルを提示するといった3つのサブテーマに基づく研究を進めている。 2022年度の研究実績の概要として、関連する先行研究の調査及び、(Ⅰ)事例調査とモデル導出に取り組んだことが挙げられる。先行研究の調査により、インキュベーターを介するアクター間の協調関係形成を①インキュベーターの成果として設定し、②入居企業の特性、③入居企業の成果、④インキュベーターの戦略との関係に焦点を当てることにした。そのうえで、立地・開設時期は同じでありながら、ポリシーやミッションが対照的なインキュベーション拠点(虎ノ門ARCH、CIC Japan)を比較事例に選定し、運営チームと入居企業メンバーに半構造的インタビューと導入的なアンケート調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画としては、2022年度の研究内容は(Ⅰ)事例調査とモデル導出であり、対象となる事例を調査したデータを整理・加工し、②入居企業の特性をクラスター分析して入居企業の目的を分類し、③入居企業の成果との関係を分析する。さらに入居企業の成果が①インキュベーターの成果としての他のアクターとの協調関係形成に到達したのかを確認する。①②③の関係性に寄与した④インキュベーターの戦略を特定し、概念間関係を説明するモデルを導出することを設定していた。 研究の進捗としては、対象となるサンプル事例の調査とデータの収集は進んでいるが、収集したデータの分析及びモデルの導出が現在途中段階である。理由としては、2つの事例に関するデータの量と質が不均衡であること、特に1つの事例では協力企業が少なかったため、導入的なアンケート調査で回収した回答が極めて少なかったこと、など計画とは異なる調査状況になったことが主な理由である。事例研究にあたって新たに1次データを取得する場合、調査協力者の協力は極めて重要な要素であるが、協力には多大な労力や企業経営に関わる情報提供を要する。そのため、研究協力に対する強いインセンティブの設計など工夫の必要性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の次年度研究計画では、導出した概念モデルに基づいて質問紙調査(アンケート)を設計し、東京都内に立地する4~5拠点に対して試験的なパイロット調査・分析を行なうことを計画していた。パイロット分析結果を踏まえて再設計したアンケート調査をさらに東京都内に立地する50拠点程に対象を拡大して実施し、収集したデータを重回帰分析、共分散構造分析でモデルの妥当性を検証することを計画していた。 2023年度前半は部分的に着手している事例研究の分析及び概念モデルの導出を進める。データの質や量に関して事例間で差がある問題に対しては、(1)収集したデータでできる分析方針に変更する(1つの事例だけのシングルケーススタディに変更するなど) 、(2)追加的にデータ収集ができる方法を検討・実践する、という2通りの方針を並行して進めるものとする。2023年度後半は、当初の研究計画に基づいたパイロット調査・分析、及び拡大調査の準備を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)