Project/Area Number |
22K01767
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
越川 靖子 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (40550968)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 音象徴 / 日本語 / 濁音 / 拗音 / 撥音 / イメージ / ブランドネーム / 清音 |
Outline of Research at the Start |
欧米の研究では記憶に残るブランドネームはアルファベットのもつ音の印象が購買や選好に影響を与えるとされるが、日本語の音のイメージ(音象徴)の研究はほぼない。本研究では、ブランドネームへの影響を視野に入れ、日本語において日本語音象徴の体系構築を目指す。五十音の各音はイメージをもつかを明らかにし、世代別、地域別において音のイメージの違いがあるかを検証し、五十音における網羅的な音象徴の体系を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の計画は、10から70代の各年代、方言4区画で男女別なし、各世代100名程度で、五十音の清音以外(濁音・拗音・撥音)に関するイメージの大規模調査をウェブで行い、調査結果の特徴の違い等を明らかにするためにSPSSを用いて相関分析を行い、かつ、区分や様々な組合せでクラスター分析を行い、各クラスターおよびクラスター間の相違を分析・考察するとしている。 機械音声をフリーソフトを用いて研究者自身で数パターン作成し、その中から最も聞き取りやすい音声の五十音を被験者に聞いてもらい、意味の異なる20の形容詞から音のイメージに合うものを選択してもらった。調書では複数回答としたが、明確にするために1つのみの回答に変更した。この変更により調査結果の各年代・各区画と特徴を浮き彫りにすることができたといえる。膨大なデータ整理を行うことに慣れておらず、思いの外時間がかかっている。しかし、データ整理をしていると興味深い結果が出てきている。清音は大きな差が世代間で出にくかったが、今回は明確になっている。この結果が有意か否かを現在様々な統計手法を用いて分析している。 清音を中心とした論文執筆を進めており、日本語および英語での発表にあわせて作成している。 現時点で、巷間や言語学でいわれている通説と異なる点が多く出てきている。例えば、ガ行、ザ行、ダ行は汚いというイメージがあると著書や論文で用いられていることが多い。しかし、本調査では、重い、暗い、不快なというイメージの回答が多く、定説とは異なっているという結果であった。濁音は清音と比較すると特徴がより分かりやすくなっているといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では調書通りの進度である。 提出調書における令和5年度の計画は、①10から70代の各年代、方言4区画で男女別なし、各世代100名程度で、五十音の清音以外(濁音・拗音・撥音)に関するイメージの大規模調査をウェブで行い、②調査結果の分析・考察をするとしている。①に関しては、昨年度も行っていることから、調査会社と相談を重ねながら円滑に進めることができた。機械音声で作成した五十音を被験者に聞いてもらい、意味の異なる20の形容詞から音のイメージに合うものを選択してもらった。調書では複数回答としたが、明確にするために1つのみの回答に変更した。一度に50音の調査をすると被験者が疲れてしまい精度が下がるということから、同一人物に対して2回に分割して行った。これにより当初想定よりも時間がかかった。昨年同様、各世代・各方言区画で25名程度としていたが、追加調査を行い30名以上に増やした。これは調査途中の結果から、被験者数を増やすことで、興味深く有意なデータが取れると判断したためである。②に関しては、膨大なデータ整理を行い、かつ、昨年度の清音との比較・分析に思いの外時間がかかってしまった。しかし、整理をしながら興味深い結果が出てきており、この結果が有意か否かを現在様々な統計手法を用いて分析している。これら結果および考察に関して論文執筆を始めている。この点を含めると調書よりも若干進んでいるともいえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、意味のない音の連なりを、規則のある音の並びと規則のない音の並びのパターンで複数作成し(例:くふくふ、たっかり)、各音のイメージとマッチするかの相違を洗い出す。これまでとは手法が異なるので、令和4・5年に比べて少し時間および手間がかかると考えている。しかし、現在本研究の執筆をしているため、終わり次第取り掛かることになる。令和6年度の調査は令和4・5年を基盤とするもののため、論文執筆により一度これまでの成果をまとめておく必要がある。本年度の調査は少し後ろ倒しになるが、大きな遅れではないと予想している。 五十音各音の調査・結果は必要であり、連なりの基盤となる。連なりによってできるイメージと各音のイメージが異なるかどうかは、興味深いものである。この音の連なりの点で、オノマトペの研究が進んでおり、これを基盤とした調査を行う。また、これまでオノマトペで得た知見や結果を生かし、かつ、比較することでより深い考察に繋がるといえる。
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