イノベーション戦略実現のための組織設計と管理会計に関する研究
Project/Area Number |
22K01821
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
窪田 祐一 南山大学, 経営学部, 教授 (40329595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三矢 裕 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00296419)
劉 美玲 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 講師 (30803407)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | マネジメント・コントロール / 組織設計 / 両利き経営 / イノベーション戦略 / アントレプレナーシップ / 組織間コントロール / アメーバ経営 / M&A / イノベーション / 両利きの経営 / マネジメントコントロール |
Outline of Research at the Start |
本研究では、イノベーション戦略、組織設計、そして管理会計システムの三者の関係性を明らかにし、現代企業に求められる管理会計システムについて包括的に検討する。知の探索と活用の両方のイノベーションをめざす両利きの経営によって業績を向上させるには、組織内・組織間のさまざまなコントロールをうまく機能させることが必要不可欠である。本研究は、両利きの経営において、組織設計上、管理会計システムがどのような役割を果たしているのかについて解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,イノベーション戦略を実現するための組織デザインと管理会計システムの関係を明らかにすることを研究の目的としている。組織デザインは,マネジメント・コントロールの機能の要素を組み合わせることにあり,LOC(Levers of control)の議論で特に注目されている。 上記の研究目的を達成させるために,すでにアメーバ経営に注目した聞き取り調査とアンケート調査を実施している。聞き取り調査に関しては,両利き戦略の実現につながる組織内のコントロールの設計(ならびに外部資源の活用との併用)を明らかにした(ただし,本研究成果は,現時点では未公表となっている)。また,アメーバ経営を導入している企業にアンケート調査を実施し,マネジャークラスのLOCについての受容の程度をふまえて,コントロール・パッケージの分析を行っている。 加えて,イノベーション戦略のための組織内・組織間コントロールの関係(連結・補完の関係)を考察するために,M&Aを実施した企業へのアンケート調査を実施し,管理会計システムの関わりについて,その実態を明らかにした。また,イノベーションの実現では企業家的ギャップの設定が鍵となるため,アントレプレナーシップとマネジメント・コントロールとの関係について研究を進め,すでに実施済みのアンケート調査について分析を進めている。さらに,コロナ禍のような環境不確実性が高い状況下での組織デザインについても検討している。 最後に,今後の研究も見据えて,組織デザインが扱うテンションについても先行研究の文献レビューを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は,3年の研究計画の2年目にあたる。当初の計画では,中間報告を行い,分析を継続しつつ,成果発表につなげることを想定していた。研究協力企業への聞き取り調査は,当初の予定より早くすすんだこともあり,1年目で多くを終えている。このあたりまでは,当初の想定以上にスムーズに実施することができている。また,すでに学会の査読付き雑誌には投稿を済ませるなど,一部の研究成果は,前倒しで進捗している。ただし,出版の時期がずれたことがあり,これらは23年度の実績ではなく24年度の実績となる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画において2024年度は最終年度にあたる。新たな研究内容に手をだすほどの予算上の余裕がないため,これまでのアンケート調査を中心に研究成果をとりまとめる予定である。実施済みのアンケート調査は,すでに分析を進めているが,その結果を国内の学会などで報告し,論文化していきたい。 実施済みのアンケート調査は3つあり,1つは,アメーバ経営のリーダーを対象に実施した両利き戦略の実現に関する組織デザインの調査である。このアンケート調査は,研究協力企業を対象に実施したものであるが,聞き取り調査とは異なる知の探索や活用の活動が観察できており,マネジャーレベルでみた組織デザインと管理会計システムの利用の関係を明らかにできるものと考えている。 2つ目は,M&Aに関するアンケート調査であり,特にPMI(Post Merger Integration)におけるマネジメント・コントロールの設計を取り上げている。PMIのために設計された管理会計システムが,PMIやM&Aの業績に与える影響を解明したいと考えている。ここでは,イネ―ブリングコントロールの設計原則にもとづいて議論を進めたいと考えている。 さらに,3つ目として,アントレプレナー行動と管理会計システムの関係を明らかにするために実施したウェブ調査についても分析を進める。この調査では,コーゼーションだけでなくエフェクチュエーションを念頭にした内容も含まれており,新しい管理会計の役割に言及できるように研究を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)