Project/Area Number |
22K02122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
葛原 亜起夫 東京家政大学, 家政学部, 教授 (00813916)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | ATR-FT/IR法 / 繊維素材の異なる人工汚染布(綿とポリエステル) / 洗濯用石けん / 油性汚れ / アルカリ電解水 / すすぎ工程 / 人工汚染布 / タンパク質汚れ / 綿繊維深さ方向 / 洗浄評価法 |
Outline of Research at the Start |
本研究において、ATR-FT/IR法を用いて油性汚れ、及びタンパク質汚れ成分の洗浄度を直接定量解析可能な新しい洗浄評価法を開発する。申請者は、ATR-FT/IR法を用いることにより、湿式人工汚染布(綿)の同一表面上に付着した油性汚れ、及びタンパク質汚れ成分を直接的に定量可能であることを見出した。本計画では、これらの基盤技術に基づき、ATR-FT/IR法を用いて繊維深さ方向に対する各種汚れ成分の付着量を解明し、綿だけではなく、ポリエステル人工汚染布に付着した各種汚れ成分の新規洗浄評価法を確立すると同時に、各種洗浄配合剤による3種類の汚れ成分の洗浄効果について実証化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
計画次年度として、以下に示す検討を行った。 ①繊維素材の異なる人工汚染布に付着した各種汚れ成分の新規洗浄評価法の確立を目指し、ATR-FT/IR 法を用いて綿とポリエステル人工汚染布表面に付着した油性汚れ成分の直接定量解析を行い、洗浄時間の違いによる洗濯用石けんの各種汚れ成分に対する洗浄力を比較した。ここで、人工汚染布として、油性汚れ、及びタンパク質汚れ成分が付着した湿式人工汚染布に加えて、すす、オリーブ油が付着したオランダCFT社製人工汚染布(ポリエステル、綿)を使用した。綿布帛だけでなく、ポリエステル布帛においても洗浄時間が長くなるにつれて、洗浄率が向上した。また、綿布帛における固体粒子汚れ、油性汚れの洗浄率は、ポリエステル布帛に比較して高かったことから、洗浄率は繊維素材の化学的性質(親水性・疎水性)に依存することが示された。ATR-FT/IR 法を用いたポリエステル布および綿布表面に付着した油性汚れ成分の直接定量分析の精緻化に成功し、ATR-FT/IR差スペクトルを用いて両者の洗浄率に顕著な違いがあることを示した。 ②本科学研究費で購入したFT/IR装置を用いて、湿式人工汚染布表面に付着した油性汚れ、およびタンパク質汚れ成分の定量化の検討を行った。ここで、湿式人工汚染布の同一表面上に付着した油性汚れ成分、及びタンパク質汚れ成分の同時かつ直接的に分離する定量分析を行い、すすぎ工程時のアルカリ電解水有無における洗濯用石けんの洗浄効果の究明を行った。その結果、アルカリ電解水を用いて回転数30 rpm、25 ℃ですすぎを行った湿式人工汚染布に付着した油性汚れの洗浄率は、固体粒子汚れ、及びタンパク質汚れと比較して著しく向上した。本科学研究費で購入したFT/IR装置を用いることにより、湿式人工汚染布表面に付着した油性汚れ、およびタンパク質汚れ成分を直接的に定量分析できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要(上記)に示したとおり、計画次年度である令和5年度は、所期の目標をほぼ計画通りに達成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の最終年度として以下の検討を行う。 最終年度は、2年間の検討で得られた新規洗浄評価法を用いて、洗浄時間、機械力、及び洗浄温度変化に伴う洗濯用石けん、アルカリ剤(炭酸ナトリウム)、漂白剤(過炭酸ナトリウム)、タンパク質分解酵素(サビナーゼ)等の洗浄配合剤による油性汚れとタンパク質汚れの洗浄性を、紫外可視分光計を用いて固体粒子汚れの洗浄性を定量的に評価する。最後にこれらの結果を比較・検討して、各種洗浄配合剤による3種類の汚れ成分の洗浄メカニズムを解明し、各種洗浄剤配合剤の洗浄効果を比較することにより、これら洗浄配合剤を組み合わせた洗浄システムの創製を進める。
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