Possibility of "maternal heartbeat" as a sound and rhythm that infants with sensory sensitivity are easy to accept
Project/Area Number |
22K02422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
立本 千寿子 兵庫大学, 教育学部, 教授 (20390130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 正義 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50508520)
田中 愽一 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20149529)
寺薗 さおり 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90457937)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 母体心拍音 / 幼児 / 鼻額差分温度 / サーモグラフィー / 情動反応 / 自閉スペクトラム症 / 知的障がい・ダウン症候群 / 聴覚に困難さを抱える幼児 / 感覚過敏 / 受け入れやすい音・リズム / フィンランド共和国 / そだちの場 / 発達障害 / 感覚過敏を示す幼児 / フィンランド共和国のそだちの場 |
Outline of Research at the Start |
音・リズムは,生理的・心理的に,発達障害の幼児に有効とされている。しかし,自閉スペクトラム症のような感覚過敏を示す幼児が受け入れやすい音・リズムについては,解明されていないことが多い。そこで本研究では,感覚過敏を示す幼児が,音・リズム,特に,世界中の人間が概ね同じ期間を胎内で平等に聴取し誕生してくる母体心拍音を聴取したことによる反応を実証し,受け入れやすい音・リズムであるのかを検討する。そして,インクルーシブな観点で先進的なフィンランド共和国のそだちの場における音・リズムの意義や役割を基盤に上記の知見を反映することで,受け入れやすい音・リズムのプログラムを開発し,実践を通して検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,<研究2>「感覚過敏を示す幼児が母体心拍音を聴取したことによる反応の実証」を遂行した。 本研究では,児童発達支援センターに通園する幼児のうち研究への同意が得られた自閉スペクトラム症(以下ASD)・知的障がい(以下MR)・ダウン症候群等の幼児を研究参加児とし,調査を実施した。調査では,室温と湿度を整え,母体心拍音と保育環境音の音圧が同一(53.1dB)となるよう調整して,1分間のベースラインの後,3分間の各音源聴取時の皮膚温度を赤外線サーモグラフィーカメラで測定した。分析では,熱画像から各音源1秒毎の鼻部と額部の温度を出力し,情動による変動を抽出する為に「鼻部温度-額部温度」の鼻額差分温度を算出した。次に,ベースラインにおける鼻部皮膚温度の平均値を算出し,音源聴取3分間における鼻額差分温度から平均値を引いた上で,10秒毎の鼻額差分温度変動値を算出した。 結果として,1点目に事例的に分析した結果,ASD児とMR児の鼻額差分温度変動値は保育環境音よりも母体心拍音聴取時の方が高い値を示した。一方,ダウン症候群児の皮膚温度は上昇を示したものの保育環境音よりも母体心拍音聴取時の方が低い値を示した。この点は,疾患や本人の皮膚温特性,測定の問題いずれに拠るものなのか今後に議論が必要である。 2点目に,「SP感覚プロファイル」「ITSP幼児感覚プロファイル」(辻井,2015)の「感覚処理」における「A.聴覚」のセクションスコアを算出し,聴覚の感覚に困難さを抱える群,聴覚フィルタリングが平均的な群に分類した。上記のデータで分散分析を行った結果,両群とも,保育環境音を聴取するよりも母体心拍音を聴取することで鼻額差分温度変動値の上昇が示された。 以上から,母体心拍音聴取時に鼻額差分温度変動値が高い結果については,母体心拍音により副交感神経が優位に働き,快情動が働いたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の2年目である2023年度に計画していた<研究2>の研究内容については,研究の目的を十分に達成することができた。
また,当該年度の研究において実証された生理的反応の結果は,次年度の<研究3>でプログラム開発を検討していくうえでの重要な基盤となると考えている。
以上のことから,本研究課題は,「おおむね順調に進展している」と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,本研究課題の3つ目の研究である<研究3>「感覚過敏を示す幼児が受け入れやすい音・リズムのプログラム開発・実践・検証」を行う。
具体的には,<研究1>で明らかになったフィンランド共和国における実態調査・文献調査の結果と,<研究2>で実証した発達支援を要する幼児・聴覚に困難さを抱える幼児の母体心拍音への反応の結果を反映することで,受け入れやすい音・リズムのプログラムを開発し,児童発達支援センターやインクルーシブなそだちの場での実践を通して検証する。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)