Project/Area Number |
22K02485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
中地 文 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70207819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 恵 武蔵野大学, 文学部, 教授 (00381707)
土居 安子 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 総括専門員 (00416257)
遠藤 仁 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20160400)
大木 葉子 東北工業大学, 総合教育センター, 准教授 (30802251)
児玉 忠 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (50332490)
宮田 航平 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (50802203)
宮川 健郎 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 特別専門員 (80166123)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 国語科教材 / 伝統的な言語文化 / 童話 / 童謡 / 児童文学 / 国語科教育 / 教材開発 |
Outline of Research at the Start |
国語科教育の中で「我が国の言語文化」の継承・発展が求められている現在、日本的な情緒を伝える「近代童話/童謡」は再評価されるべきなのではないか。本研究は、このような問題意識から出発し、「近代童話/童謡」の文芸的特徴をテキストだけでなく作者や読者にも目を向けて多面的に確認したうえで、国語科教材としての今日的意義を明らかにする。さらに、教材史の調査を踏まえて、過去に教材化された「近代童話/童謡」の現代的活用を検討するとともに、新教材を発掘、授業実践での検証も行って指導法を探る。最終的には、新教材も含めて「近代童話/童謡」教材を分類・整理・体系化し、有効な活用のための提案を行うことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第一に「近代童話/童謡」の文芸的特徴を確認し、国語科教材としての今日的意義・有用性を明らかにすること。第二に、教材史の調査をしたうえで、過去に教材化された「近代童話/童謡」の現代的な活用の検討をするとともに、新教材を発掘すること。そして第三に、「近代童話/童謡」教材を分類・整理・体系化し、小学校・中学校・高等学校での有効な活用に向けた提案を行うことである。二年目にあたる2023年度は、小学校および中学校の国語教科書における「近代童謡」の掲載状況と、国語科教材としての今日的意義・有用性についての調査を進め、北原白秋の童謡の掲載が圧倒的に多いこと、北原白秋には及ばないものの山村暮鳥、百田宗治、室生犀星、与田凖一などの作品の教材化も多く行われていること、童謡の教材化をめぐる先行研究は少なく課題が多いこと等を明らかにした。 また、2022年度に引き続いて「近代童話/童謡」の文芸的特徴の把握に力を注ぎ、多くの童話を掲載した児童文芸誌『赤い鳥』の主催者である鈴木三重吉の童話観を捉えた。さらに数多くの童謡が教材化されている北原白秋に焦点を当て、童謡観、児童自由詩観とその問題点を確認した。 「近代童話」が現代児童文学にどう受けつがれているのか、現代児童文学の教材化がどのように進められてきたのかという問題の検討も、2022年度に引き続いて「あまんきみこ」と「宮川ひろ」を主に取り上げて行った。その過程で、教科書というメディアをどう捉えるかという問題が浮上してきている。 分担して行った以上のような研究の成果は、研究会を通じて共有している。研究会での研究討議を経て、これまでの成果を国語科教育における「近代童話/童謡」の現代的な活用の検討、そして新教材の発掘に結びつけることが今後の課題であると認識するに至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の具体的な調査・検討課題は次の五つである。①「近代童話/童謡」の教材史の調査、②「近代童話/童謡」の文芸様式としての特徴の把握、③過去に教材化された「近代童話/童謡」の現代的活用の検討、④新教材の発掘、⑤「近代童話/童謡」教材の分類・整理・体系化。 2023年度は、上記のうち①③については、2022年度に行った童話の教材史の調査・検討に続いて童謡の教材史の調査・検討を進めることができた。②については、2022年度に行った作品の側からの検討に加えて、作家の側からの検討を、鈴木三重吉、北原白秋という代表的な作家を取り上げて行うことができた。現代児童文学の教材化の問題も討議することができ、④の方向性が見えてきている。 まだ発表できていない成果も少なくないが、成果の一部は公開できたので、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、「近代童話/童謡」の教材史の整理・教材価値の検討をさらに進めるとともに、教科書展の開催等を通して調査・検討の成果を公開しながら、「近代童話/童謡」教材の特徴の把握と分類・整理・体系化を進めたい。あわせて、「近代童話/童謡」教材の現代的活用の検討へと研究を展開させ、新教材の発掘も行ってゆく。 「近代童話/童謡」の文芸様式としての特徴の把握に関しては、2023年度の成果を現代児童文学との相違の解明へとつなげ、現代の国語科教育にその特徴をどう生かせるか探ることにする。それにあたっては、現代の国語科教育の実情と課題を改めて確認しておきたい。 研究推進の方法としては、以上の課題を研究メンバーで分担して検討・探究し、オンライン研究会と対面の研究会を通して成果を共有しあい、学会発表や社会還元にむけて個々の成果を練り上げたうえで総括する予定である。
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