Learning support using log data in card operation-based programming learning support system
Project/Area Number |
22K02815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 慎平 広島工業大学, 情報学部, 教授 (30455183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加島 智子 近畿大学, 工学部, 准教授 (30581219)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | プログラミング / ラーニングアナリティクス / カード操作方式 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,カード操作方式によるプログラミング学習支援システムの学習ログの取得とその分析を行い,分析結果に基づき,モチベーションの向上や時間対学習効率の向上といった観点で有効となる学習プロセス可視化手法,フィードバック提示手法,これらを適切に機能させるためのUI(画面構成)の要件を明らかにする.具体的には,カード組み立てプロセスやコンパイラとの対話履歴を記録できるようにし,リアルタイムモニタリング機能による教授者支援機能や,教授者が意図した思考を促すためのフィードバック提示機能の開発を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度においては,昨年度に構築したシステムを利用して,実験を行い操作ログを収集した.先行研究では,学習プロセスを数量的に評価するため,レーベンシュタイン距離の考え方を参考にし,学習状態の定量化手法が提案されていた.村上らは,学習プロセスを数量的に評価するため,学習者の回答欄に並べられたカード順列を定量化・可視化する方法を提案した.Morinagaらは,学習ログを村上らの手法で処理し,多変量解析可能な形式に変換する方法を提案した.その有用性を示すため多変量解析を適用し,学習者や問題の特徴がベクトルに表れていることを明らかにした.岩本らは,Morinaga らの手法を用いて分析を行った.その結果,プログラミングを理解できている群はそうでない群よりもカード操作回数が統計的に有意に少なく,カード操作回数と学習者の理解度には関係があることを確認した.岩本らの指摘を踏まえれると,理解が不十分な学習者のカードの操作回数が多いならば,その傾向が学習プロセスの可視化結果に見られると考えられる.しかし,このことは十分に明らかにされていない. そこで令和5年度は,理解が十分ではない学習者が行う不適切な活動の検出・可視化に,レーベンシュタイン距離に基づく村上らの手法が有用かどうか調査することを目的とした.レーベンシュタイン距離の時系列変化を表すグラフを作成したとき,特徴として,時間と距離の2項目の値を用いた回帰直線の傾きが緩やかな場合,不適切な活動を行っている可能性が高いことを分析により確認できた.この結果を踏まえ,回帰直線の切片,傾きの値と,学習者が正誤診断した回数を入力として,多次元尺度法を生成した.その結果,多次元尺度法では,問題ごとの学習者の操作の傾向が視覚化できており,不適切な操作を行っていた学習者が集団とは離れて存在している様子を可視化できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたとおり,レーベンシュタイン距離に基づく村上らの手法に着目し,学習ログの分析を達成した.今回,前年度までに実装したシステムが実際に利用可能であるかどうか検証を行うことができた.具体的には,1)提案システムを使って学習ログを適切に収集できるか,2)収集した学習ログから適切にラーニングアナリティクスを推進できるか,の2点の検証を十分に行うことができた. 今回,先行研究で提案されていたレーベンシュタイン距離の考え方に基づき,学習プロセスを量的に評価するための分析手法を適用した.レーベンシュタイン距離は,自然言語処理の中で文字列類似度評価に用いられる一般的な方法であり,ゴールまでの処理回数を数字で表したものである.本研究では,レーベンシュタイン距離と同様の考え方で,学習者の解答欄の状態(カード順列)を数量化した.すなわち,正解のカードの配置を距離0として考え,正解に近づくまでに必要なカードの操作回数をレーベンシュタイン距離と同様に評価した. 本年度においては,小規模な実験で得られた学習ログを用いて分析を行うに留まった.理想は,実際の講義などで実践利用を行い,学習ログを分析して,その結果を学習者や教授者にフィードバックすることである.また,ベイジアンネットワークを用いた分析についても取り組む必要がある.そのため,今回は「概ね順調に進展している」といった評価に留めることとした.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度においては,ベイジアンネットワークによる潜在的因果関係の顕在的知識化を行いたいと考えている.学習課題ごとに,各学習者が正誤診断(あるいはコンパイル)した際の状態(回答欄のカード配置)の出現の有無を記録したデータ群をベイジアンネットワークの入力として与え,構造学習により確率的因果モデルを獲得する.これは組み立て過程で顕在化した思考の状態同士の関係を捉えたものと仮定できるので,外的な知識と対応付け考察したうえで,顕在データの因果関係の中から潜在的知識をIF-THEN形式で獲得する.この時,それぞれの知識が正解・不正解に寄与する感度も明らかになると考えられる.したがって,学習者が課題に取り組む際,カード操作過程とIF-THEN知識を照合することで,試行錯誤の質を評価し,教授者や学習者への提示ができるようになると考えている.
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)