技術カードを活用した、市民と専門家との「知の創出・融合」支援手法の開発
Project/Area Number |
22K02959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松山 桃世 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90425645)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | RRI / 異分野連携 / ワークショップ / 科学コミュニケーションツール / 科学コミュニケーション / 総合知 / 異分野融合 / ELSI / 手法開発 / カードゲーム / 新興技術 |
Outline of Research at the Start |
イノベーションの加速には、あらゆる「知」を融合した「総合知」が重要であると指摘されています。本研究では、総合知の源の1つとして「市民の知」の可能性を探ります。具体的には、科学コミュニケーションツール「ひみつの研究道具箱カード」を用いたワークショップでこれまで得られてきた、萌芽的な技術を組み合わせた社会課題解決アイデア群を解析します。また、ワークショップを改良し、研究者と市民が対話し、研究現場に新視点をもたらす手法の開発を目指します。さらに、ツールとワークショップをパッケージ化し、科学館や教育機関などと地元の研究機関が自律的に実施できるよう支援し、各地のイノベーション加速への貢献も図ります。
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Outline of Annual Research Achievements |
第6期科学技術・イノベーション基本計画に記されるように、社会の諸課題へ的確に対応し、イノベーションを加速するために、あらゆる分野の知を総合的に活用する「総合知」が求められている。また、RRI(責任ある研究・イノベーション)の観点から、研究開発現場への多様な価値観や見方のインプットの重要性が指摘され、異分野連携を促進する場の構築や、ユーザー視点で課題の解決法を探る手法の開発が進められている。本研究では、市民や多様な分野の専門家が萌芽的な技術をテーマに対話を重ね、工学の研究現場に新視点をもたらす手法(ツールおよびワークショップ)を開発することを目的とする。 2023年度は、文理融合とRRI教育の2つの方向性で、科学コミュニケーションツール「ひみつの研究道具箱」(参考:http://cardgame.iis.u-tokyo.ac.jp/)を用いたワークショップの改良と実践を進めた。 文理融合の促進を目的に、京都大学学術研究展開センターや東京大学リサーチ・アドミニストレーター推進室とそれぞれ共同で、ワークショップを実施した。後者には全国のURAなどが参加し、既存の工学系の技術カードに加え、新規に人文・社会科学系の「知」のカードを制作し、複雑な社会課題の前で人文・社会科学系の「知」と工学系の「知」がどのようにコラボレーションしうるかを議論した。ワークシートおよびアンケート調査を分析し、課題解決過程において人文・社会科学系と工学系の知が活躍しうる場面を整理した。 また、RRI教育ツール開発を目的に、新渡戸文化中学校での半年にわたる探究学習を支援した。工学の専門家に対する萌芽的技術の展開アイデアの提案や、市民を対象としたワークショップを生徒が主体となって実施した。生徒へのヒアリングおよびアンケート調査から、ツールの評価を行った。 教育機関を主対象としたツール貸出も継続しており、本年度は5件の貸出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象を人文・社会科学系の専門家と学生に絞ることで、ワークショップをとおして回収しうる内容を明確化し、ワークショップの目的と評価方法を設定し、効率良く改良を進めることができた。一方、ワークショップ内でアイデアの質を高めるという点では、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)の視点は組み込めているものの、実現性や新規性といった、専門知が必要な側面に関しての議論は欠落しており、次年度でのさらなる改良が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究機関と地元の科学館などが連携して実施できるよう、開発したワークショップをパッケージ化する。個々の研究機関が独自のカードセットを制作し、それを用いたワークショップを実施するためのマニュアルを整備し、「ひみつの研究道具箱」ウェブサイト(https://cardgame.iis.u-tokyo.ac.jp/)にて公開する。教育機関や自治体、大学・研究機関、全国科学館連携協議会加盟館などへ、参加協力を呼びかける。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)