Project/Area Number |
22K02988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
有泉 高史 玉川大学, 農学部, 教授 (30286166)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 動物の発生 / デジタル教材 / アナログ教材 / 3D画像処理 / 3Dプリンタ / ICT活用 / 3Dプリンタ / 3D画像処理 |
Outline of Research at the Start |
本研究では高校『生物』で学ぶ「動物の発生」に焦点を当て、従来にないデジタル・アナログ教材を開発する。デジタル教材として、胚の内部を詳細に映し出す“高精細3Dモデル”を3D画像処理技術によって作成する。アナログ教材としては、胚の構造が手に取って観察できる“光造形立体模型”を3Dプリンタによって作製する。これら補完関係にある教材を実践活用して探究的な学びを支援するとともに、ICTを活用した生物教育を加速させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物の授業における「動物の発生」は、卵から親への体づくりの仕組み、再生医療の技術や課題を学ぶ上で重要な単元である。しかし、受精卵や初期胚の調達や観察には困難が伴い、実際の学校現場での観察や実験が難しい。従来は写真や映像、粘土や木製の模型などが教材に用いられてきたが、生徒の興味を引き付けて探求的に学ばせるには限界があった。 本研究では、3D画像処理技術と3Dプリンタ出力を用いて、「動物の発生」に関するデジタル・アナログ補完型教材を開発し、ICTを活用して実践的な学習を支援することを目的としている。3年間の研究期間で、デジタル教材の作成、アナログ教材の作製、両者の補完活用による探究的学習の支援、およびデジタル画像のデータベース化に取り組む。 令和5年度の研究では、デジタル教材(高精細3Dモデル)の完成と、アナログ教材(光造形立体模型)の作製に取り組んだ。完成した高精細3Dモデルについては、玉川学園高等部の高校2年生を対象に「両生類の発生」の授業の中で活用し、その教育効果を検証した。一方、光造形立体模型の製作に関しては、3Dプリンタの機種選定や画像ファイルの変換に手間取り、実用可能なレベルの模型の完成には至らなかった。 今後は、光造形立体模型の完成を目指し、3Dプリンタの選定や画像ファイルの変換方法を見直すことで、より実践的で魅力的な教材を生徒に提供できるよう取り組んでいく。完成した光造形立体模型は令和5年度に完成した高精細3Dモデルとともに「動物の発生」の授業の中で実践的に活用して、デジタル・アナログ補完型教材としての教育効果を検証するとともに、デジタル画像のデータベース化と3Dプリンタ出力のためのデータファイルを整理して教育現場への提供を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度の研究では、初期胚の連続切片のデジタル画像データをもとにして光造形立体模型の作製を試みた。しかし、光造形3Dプリンタの機種選定やPC上での高精細3Dモデルの構築に関する作業に手間取り、収集したデジタル画像データを3Dプリンタで適切に出力するためのファイル変換を行えなかった。研究計画に掲げた作業課題には取り組んだが、教材として実践活用できるレベルの光造形立体模型の完成には至らなかったため、令和5年度の研究は計画よりもやや遅れていると評価する。今後は、光造形3Dプリンタの適切な機種選定やファイル変換の方法を見直し、実用的な教材として利用できるレベルの立体模型の完成を目指す必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の研究では、初期胚の連続切片のデジタル画像データを適切にファイル変換し、3Dプリンタで出力して光造形立体模型〔アナログ教材〕を早急に完成させる。これを令和5年度までに完成した高精細3Dモデル〔デジタル教材〕とともに授業で実践活用すれば、生徒にとって魅力的な教材となり「動物の発生」についての深い学びに繋がることが期待できる。また、教師にとっても、実物の卵や胚を使った観察や実験と同等以上に発生の仕組みを詳しく魅力的に伝えられる教材となることが期待できる。 デジタル教材である高精細3Dモデルについては、令和5年度中に玉川学園高等部において高校2年生を対象に授業での活用を試みた。初期胚の内部構造を詳細に観察することや、さまざまな方向や切断面をPCやタブレット端末上で観察できることなど、生徒の興味関心を引き出すことができ、初期胚の構造を立体的に深く学べる点で一定の教育効果があった。令和6年度の研究では、アナログ教材である光造形立体模型をデジタル教材である高精細3Dモデルと補完的に実践活用することで、「動物の発生」の学びに対してさらに高い教育効果をもたらすかどうかを確認する。
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