交際相手の束縛行為に対し被害の認識を阻害する要因の解明
Project/Area Number |
22K03132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Shigakkan University |
Principal Investigator |
笹竹 英穂 至学館大学, 健康科学部, 教授 (00319229)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | デート暴力 / 心理的暴力 / 交際相手 / 束縛 / 受容 / デートDV |
Outline of Research at the Start |
交際相手に対する心理的暴力(束縛行為)で問題視されることは,行動を監視されても「それほどまでに私は愛されている」と感じ,被害者が被害感を持てない場合があることである。この場合,束縛の程度がエスカレートしても関係を断ち切れない危険性がある。 そこで本研究は,心理的暴力(束縛行為)に焦点を絞り,被害の認識を持つことを阻害している要因は何かを明らかにすることを目的とする。 今回の研究では,3つのテーマで研究を実施する。①束縛行為に該当するか否かの判断に文脈情報がどのように影響するか,②束縛行為への受容的な対処が常態化する過程の分析,③被害の認識に焦点を当てたデートDV防止講座の経時的効果の検証である
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Outline of Annual Research Achievements |
【交際相手からの束縛を愛情として受容する心理機制~テキストマイニングによる分析~】この研究では、交際相手から束縛された場合、愛情の表現の一つとして解釈してその束縛に従う心理機制を、テキストマイニングによって明らかにすることを目的としたものである。調査対象者は大学生399人である。束縛された状況を記載したシナリオを読ませ、束縛を愛情の表現として解釈するかどうかとその理由、束縛にしたがうかどうかとその理由について、自由記述で回答を求めた。その結果束縛を愛情の表現であると考えるかどうかは、交際相手から信頼されているかどうかの認識が影響を与えていることが示唆された。また束縛に応じるかどうかは、束縛による日常生活への支障を重視するか、交際相手の激しい愛情を重視するかの違いが影響を与えていることが示唆された。この研究成果は、至学館大学研究紀要第57号に掲載された。 【交際相手の束縛する動機に応じた対処の類型化】この研究では、交際相手から束縛された場合に、なぜ束縛をするかの動機に応じてどのような対処が考えられるかを類型化することを目的としたものである。研究Ⅰでは、束縛が行われる動機を類型化した。束縛が行われる理由について大学生174人に対し自由記述で回答を求めた。そしてクラスター分析を行った結果、4類型に整理された。それは自信がなくて振られてしまうという不安(類型1)、交際相手を奪われてしまうという不安(類型2)、束縛は愛情の表現という認識を持っている(類型3)、独占欲(類型4)である。研究Ⅱでは、これらの4類型の動機から束縛が行われた場合、どのように対処したらよいかについて明らかにすることを目的とした。大学生174人を対象に、4類型ごとの対処方法について自由記述で回答を求めた。その結果、交際相手を褒める、自信をつけさせる、安心させるなどの類型ごとの対処方法が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、至学館大学研究紀要及び至学館大学教育紀要に2本の論文が掲載された。さらに国際誌にも論文を投稿して現在審査中である。このように研究成果が得られているため、おおむね順調に研究が進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、交際相手からの束縛を受容する心理機制として、恋愛不安及びロマンチックな愛に関する信念の2つの要因を取り上げて、その影響を調べたいと考えている。恋愛不安についてはすでにデータは収集しているため、現在分析中である。またロマンチックな愛に関する信念については、予備調査を実施して現在の研究デザインで良いかどうかを検討している。研究デザインに問題がなければ、令和6年の前半にデータを収集したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)