相談利益に着目した学生相談への援助要請態度の向上を図る取り組みに関する研究
Project/Area Number |
22K03138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
松本 明生 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (30406897)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 価値割引 / 学生相談 / 相談メリット / 行動分析学 / 援助要請 / 臨床心理学 |
Outline of Research at the Start |
大学生を対象として,カウンセリングを受けることによる利益(メリット)を教示することが,学生相談への援助要請態度の醸成につながるかを検討することが主たる目的である。特に学生相談を受けて得られる利益予期を制御する変数として,行動分析学で研究されている「報酬の遅延・確率価値割引現象」に着目し,大学生の価値割引のパターンに合わせた学生相談への援助要請態度の醸成プログラムを開発するための一連の研究を行う。本研究では,相談することで得られる利益と割引プロセス,学生相談への援助要請態度との関連を精緻に検討することによって,援助要請態度の醸成のための心理的プログラムの基礎的なエビデンス構築を目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大学生が心理的支援・カウンセリングである学生相談を受けることによって得られる利益(カウンセラーと話して安心する,悩みが解決するなど)と,その制御変数としての利益の価値割引の影響を考慮しつつ,利益を大学生に教示することで援助要請態度が肯定的に変容するかどうかを検証することが主たる目的であった。初年度および今年度では大学生を対象として調査を実施し,学生相談の利益が得られるまでの遅延によってその利益が割り引かれるかどうかについて検討した。また,相談利益を得られる確率の見込みによっても割引が発生する可能性があるため,利益の確率割引についても検討を行った。そもそもこうした研究は,行動分析学においては遅延価値割引や確率価値割引として知られているが,心理カウンセリングや相談によって得られる利益において,金銭報酬を指標とした場合と同様に,遅延・確率による価値割引現象が生じているかどうかについてほとんど検討されていなかった。カウンセリングを受けることで得られる道具的・心理的な報酬や利益を指標とした場合においても価値割引のメカニズムが発生しているかを検討することは,価値割引が物質的な報酬のみならず心理的な利益にも拡大適用されうることを示すことにもつながり,行動分析学における価値割引研究の裾野を広げ,新たな研究領域への拡大につながることが期待される。 そうしたことを念頭に,本年度は相談利益の遅延・確率価値割引が発生しているか,相談利益の価値割引の安定性について検討した。また利益の割引が金銭割引とどのような関係にあるか,さらには,相談利益の割引が学生相談への援助要請と関連しているかについての調査を実施が終了した段階である。今後,分析を進めていく予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度および前年度に予定していた研究の実施は実施できたものの,その分析の実施・完了までには至らなかった。本年度はその遅れた分を進行させることを最優先課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
予定している研究内容は実施していきたい。しかし,実施の遅れが発生していることから,まずはその遅れた分の研究を進め,最終課題の実施を行いたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)