Project/Area Number |
22K03387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University (2023) Naruto University of Education (2022) |
Principal Investigator |
関 行宏 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (50728970)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 非線形放物型方程式 / 特異性解析 / 非線形放物型問題 / 特異性 / 放物型方程式 / 爆発 / 大域解 / 有界性 |
Outline of Research at the Start |
氷と水のように, 2つの異なる媒質の層を隔てる境界が時間の経過と共にどのように変化するかを数学として記述する試みは微分方程式論や数値解析等において数十年前からなされている. 一方で, 数理モデルとしての微分方程式から層の境界の具体的形状を調べるには困難が多く, 純数学的な研究は意外にもそれほど発展していない.
一方, 上記の数理モデルは理想的な条件下においてはある種の非線形放物型方程式と近い性質をもつことが経験的に知られている. そこで本研究では非線形放物型方程式の特異性解析の手法を発展させ, その応用として上記の数理モデルに対する境界の挙動を考察する研究を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、半線形熱方程式や調和写像流方程式に代表される非線形放物型方程式に対する特異性解析の研究を発展させ、その解析手法を応用して自由境界値問題における対象物の漸近形状を数学的に明らかにすることを目標としている。
研究テーマは代表者による従来の研究を発展させたものであるが、現段階では前者二つの研究を優先して行っている。調和写像流方程式は微分幾何学における基礎的な問題として古くから研究されているものであるが、偏微分方程式の特異性解析の問題として見られるようになってからまだ10数年しか経っていないため、まだ発展の余地があると期待されている。本研究における特異性解析においては典型的と見られる特殊な解に対しては知られていた定量的性質が一般の解に対して同様な性質を持つことが徐々に明らかになってきた。また、数学的に極めて関連の高い走化性粘菌の凝集現象について、集中的に研究した。一方で、これらの研究において当初の想定以上の時間がかかっており、自由境界値問題に関する研究はまだ準備的段階に留まっている。特に、未知関数や自由境界に対して球対称性を仮定できないという技術的制限が大きく、より多くの情報収集が必要である。なお、研究予算については主に学会参加のための旅費、消耗品の購入費用等に使用した。研究代表者が年度の始めに現在の所属大学に異動したことで研究環境の再構築等が必要になったが、これに関しては大学からのスタートアップ経費が支給されたため、基本的な研究環境の整備にかける予算は最小限に留めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題は新型コロナウイルスの感染拡大期に計画したものであるため、当初よりある程度は実行の段階で多少の遅延、あるいは長いスパンでの調査が必要になることを考慮して、研究期間を比較的長く設定している。また、研究を遂行するにあたり、当初の予定を上回る広い数学的アプローチが必要になることが分かってきたため、関連の高い走化性方程式系の研究を通じて多面的な視点を取り入れている。これらの解析手法の統合に時間を要しているため、このような区分を選定した。
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Strategy for Future Research Activity |
近年の雑誌の高騰化の影響により、所属大学においても購買中止となる雑誌が相次いでいる。そのため、文献の収集のための予算がこれまで以上に重要となってきている。今後は従来から行っている研究集会やセミナー等での情報収集に加え、文献収集のための予算にも十分配慮する必要がある。また、昨年度に参加したいくつかの研究集会を通じて応用数学や応用力学系等での隣接分野の若手研究者と討論を行い、意見交換を行なった。今後も他分野の研究者との研究交流を大切にして、互いの得意分野に関するアイデアを交換して斬新な研究につなげることを目指す。
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