Project/Area Number |
22K03584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
井戸村 泰宏 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 副センター長 (00354580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 清吉 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (10609986)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 水素同位体混合 / ペレット入射 / ジャイロ運動論 / イオン温度勾配駆動乱流 / 捕捉電子モード乱流 |
Outline of Research at the Start |
磁場閉じ込め核融合プラズマの核融合出力を最適化する上で、燃料となる重水素と三重水素の密度比を制御することが重要であり、粒子閉じ込め時間に比べて一桁速い時間スケールで発展する水素同位体混合をもたらす乱流輸送現象が注目されている。本研究ではエクサスケールの大域的5次元第一原理乱流計算を駆使してこの物理機構を解明し、乱流輸送を介して間接的に炉心を制御する新たな手法の開発に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
磁場閉じ込め核融合プラズマの核融合出力を最適化する上で、燃料となる重水素(D)と三重水素(T)の密度比を制御することが重要な課題となっている。近年、JET装置や大型ヘリカル装置LHDにおいて水素(H)と重水素の水素同位体混合実験が実施され、粒子閉じ込め時間に比べて一桁速い時間スケールの水素同位体混合現象が観測された。本研究では大域的モデルに基づくエクサスケールの5次元第一原理乱流計算を駆使して乱流揺動の雪崩的な伝搬や大域的電場形成による非局所的輸送現象の観点から速い水素同位体混合現象をもたらす物理機構を解明する。 今年度は、「富岳」を用いてJET装置で実施された水素同位体混合実験のプラズマパラメータに基づく数値実験を実施した。上記実験では、水素プラズマに重水素ペレットを入射し、入射後にエネルギー閉じ込め時間と同程度の早い時間スケールで水素と重水素が混合し、H/D比が均一化する水素同位体混合現象が観測された。数値実験では重水素ペレット入射前の定常プラズマ分布と入射直後のプラズマ分布を用いた2ケースの解析を実施し、粒子輸送特性を比較した。この結果、入射前のケースでは水素の粒子閉じ込め時間はエネルギー閉じ込め時間より一桁大きくバルクプラズマで典型的な粒子輸送特性を示したが、入射後のケースではエネルギー閉じ込め時間と同程度の早い時間スケールで水素と重水素が混合する水素同位体混合現象が発生することを確認した。トロイダル角運動量保存則に基づいてこの物理機構を解析した結果、トロイダル電場揺動と密度揺動の位相関係によって決まるトロイダル電場応力が速いイオン輸送を駆動し、水素同位体混合現象が発生することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「富岳」を用いてJET装置で実施された水素同位体混合実験を模擬した数値実験を実施し、水素同位体混合現象を再現することに成功した。このことからおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に実施した数値実験データの詳細な解析を実施し、水素同位体混合現象の機構を理論的に解明するとともに、粒子輸送、熱輸送やプラズマ分布の時間発展を含めた実験データとの包括的な比較検証を実施する。これらの結果をまとめた論文を公表する。
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