電解水の酸化還元作用を併用した砥粒レス状態での高品位磁気援用表面創製法
Project/Area Number |
22K03861
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18020:Manufacturing and production engineering-related
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川久保 英樹 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (90579129)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 磁気援用加工 / 仕上げ面性状 / 電解水 / 砥粒 / 仕上げ面 / 表面改質 / 仕上げ |
Outline of Research at the Start |
微細・複雑形状部品の超精密加工技術の高能率化と同時に,加工面の高品位化・高付加価値化に対応するため,本研究は砥粒を使用しない(砥粒レス状態)表面加工法の開発を目的としている.本加工法は,①フレキシブルな磁気粒子ブラシ(磁気援用加工)による「物理的接触作用」,②電解水(還元水/酸化水)利用技術における「電気化学的作用」,そして③「①(物理的接触作用)と②(電気化学的作用)との相互作用」を効果的に利用して加工プロセスを制御していく.本加工法を学術的に体系化するため,砥粒レス表面加工法の(A)「高品位仕上げの加工性能の向上」,(B)「表面改質・機能性付与」の2項目について,加工メカニズムを解明する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
磁気粒子ブラシによる物理的な除去加工と,加工液による化学的な除去加工との,複合的な表面加工技術の加工メカニズムを検討した.2023年度では,パイプ内面加工における加工面性状と加工面の元素分析を行い,加工メカニズムの解明を試みた.ここでは,磁気粒子ブラシを構成する強磁性材粒子(不定形/球形)と,加工液である電解水(還元水/酸化水)との4通りの組み合わせを比較した.更に,表面粗さの向上を目的として,球形粒子と電解酸化水との組み合わせにおける粒子サイズと表面粗さとの関係について検討した.得られた成果は次のようになる. (A)加工面性状と加工面の元素分析:(実験条件:強磁性材粒子は不定形(中央値505μm)と球形(中央値567.5μm)を用いた.加工液はNaCl電解還元水(pH12)とNaCl電解酸化水(pH2)を用いた.)(1)4通りの実験条件のうち,球形粒子と電解酸化水との組み合わせにおいて表面粗さが向上し,加工面も最も平滑化される.SEM観察像からは,磁気粒子ブラシのわずかな加工条痕(物理的な除去加工)が確認された.他の3条件は粗面化される.(2)電解酸化水を用いた場合,酸素元素量は加工前と比較して変化がない.一方,電解還元水を用いた場合,酸素元素量が加工前と比較してわずかに増加する. (B)球形粒子と電解酸化水との組み合わせにおける粒子サイズと表面粗さ:(実験条件:球形粒子のサイズは,中央値260μm,567.5μm,1000μmの3種類である.)(1)粒子サイズが大きい方が,表面粗さの値は小さくなる.(2)強磁性材粒子の硬度を低くすると表面粗さの値が小さくなる可能性がある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,磁気粒子ブラシを構成する強磁性材粒子(不定形/球形)と,加工液である電解水(還元水/酸化水)とを組み合わせた4通りの加工条件について,加工面の元素分析を行い,化学的加工に関する加工前後の状態を検討した.特に,加工液に電解酸化水を用いた場合,加工面の元素状態について加工前後の変化がないことを明らかにした.同時に,物理的加工に関する検討も行い,複合的に加工が進展していることを確認した. 以上から,4通りの加工条件のうち,球形粒子と電解酸化水との組み合わせが,砥粒レス状態における加工面の平滑化には適していることを明らかにした.この加工現象は,砥粒レス加工において重要な実験結果であり,砥粒残渣がない高品位加工面の創製技術としての優位性がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
砥粒レス状態での表面粗さの向上の加工メカニズムを解明するため,球形粒子と電解酸化水との組み合わせによる実験を進める.これまでに,粒子サイズが大きい方が,表面粗さの値は小さくなる傾向が確認されており,更に詳細を検討する.また,強磁性材粒子の硬度を低くすると表面粗さの値が小さくなる傾向がみられることから,強磁性材粒子の硬度を変化させた実験についても検討を進める予定である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)