デジタルツインに向けた積雪寒冷都市の公共空間デザインのための行動意識解析評価
Project/Area Number |
22K04486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 典大 北海道大学, 工学研究院, 助教 (80823400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 剛 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20226674)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | パブリックスペース / 街路空間 / 機械学習 / 行動解析 / 積雪寒冷都市 / 屋外利用行動 / 公共空間 / デジタルツイン / 行動意識評価 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、都市デジタルツインの実現に向けて積雪寒冷都市の望ましい公共空間デザイン手法を構築するために、以下の3点を明らかにする。①3Dスキャナを用いて積雪寒冷都市の公共空間をデータ化し、積雪による様相変化も含めた複合公共空間の特徴抽出と分類を行う。②機械学習を用いた利用行動解析を行い、複合公共空間データと合わせて利用行動と公共空間デザインの関係性を明らかにする。③生体情報計測を利用し、公共空間デザインと空間意識の関係性を把握する。公共空間をVR化し、VR上で空間意識を向上させる公共空間デザインを明らかにする。以上より、積雪寒冷都市の行動意識を向上する公共空間デザインの解析評価手法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
世界有数の積雪寒冷都市である札幌都心部に位置する北3条広場(アカプラ)を対象として、気温が低下する寒冷移行期から積雪期において、イベント時・平常時平日・平常時休日の行動解析を行った。対象期間にカメラを設置して撮影した動画データを基に、機械学習による行動解析と目視による行動種別の分析を行った。 機械学習による行動解析では、Yolo v8を用いて利用者の検出とトラッキングを行い、時間帯・場所毎の広場の利用者人数、歩行経路、歩行速度、滞留行動の位置と時間を明らかにした。 目視による分析では、対象エリア内での行動種別を抽出し、時間帯と行動種別の関係性を分析した。 北3条広場における調査分析から次の点を明らかにした。1)気温の低下に伴い広場利用者は減少し、気温と広場利用者数は相関関係がある。2)季節による広場の環境変化(紅葉・積雪)は広場の利用行動種別に影響を与える。3)イベント開催は広場の利用行動種別に影響を与える。4)広場での行動種別では、起立状態の利用行動種別が最も種類が多い。5)着座・寝転ぶ状態の利用行動種別は気温の低下の影響を最も受ける。6)着座・寝転んだ状態の利用行動種別に関して、長時間の滞在に関係する行動種別は約 15 度以下では発生しなくなる。7)しゃがんだ状態での利用行動種別は、気温との関係は小さく、広場の落下物 ( 落ち葉・積雪 ) に影響を受ける。8)すべての姿勢(起立、歩行、しゃがむ、着座、寝転ぶ)において、積雪により新しいアクティビティが発生する。9)日没後の行動種別はイルミネーションの実施において増加する。 機械学習を用いた行動解析では、調査で取得した映像データをから広場の行動種別を自動判別する方法についても試行・検討を行っており、今後実用化を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記述した通り、2023年度に予定していた研究内容を概ね遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は都市デジタルツインの実現を見据えて、積雪寒冷都市を対象に、デジタル技術を用いて①公共空間デザインと利用行動の関係、②公共空間デザインと空間意識の関係を明らかにし、積雪寒冷都市の気候に適応した行動意識を向上する公共空間デザイン手法の構築に向けて公共空間デザインに対する行動意識の解析評価手法を開発することを目的としている。今後は以下の2点を進める。 ①機械学習を用いた公共空間の利用行動解析に関して、現時点では物体検出とトラッキングにより時間帯・場所毎の利用者人数を把握する手法を明らかにし、歩行経路、歩行速度、滞留位置、滞留時間を把握する方法を開発した。これまでに収集した都心のパブリックスペースの行動をとらえた映像データをもとに、広場の行動種別を自動判別する手法を開発する。 ②公共空間デザインと利用者の空間意識の関係を把握する方法として、これまで公共空間の3Dモデルを使用したVR技術を用いることを検討してきた。しかし、これまでの既往研究分析や既存公共空間の3Dモデルの試作を通して、VRによる空間再現に技術的な課題がみられること、公共空間に対する空間意識に周辺の利用者の状況や季節・時間的な変化など空間デザインや形状以外の複数の要素が強く影響していることが確認された。 よって本研究が見据える都市デジタルツインの実現に向けては将来的にバーチャル空間に再現する対象要素を明確にする必要があり、そのためには実際の公共空間デザインと利用者の空間意識の関係を明らかにすることが必要となる。今後の研究では、ソーシャルネットワーキングサービス等のビックデータを解析し、実際の公共空間における公共空間デザインと利用者の空間意識の関係を明らかにすることも含めて研究を推進する。 以上①②の成果を統合し、利用行動の特徴と都市空間意識を考慮した積雪寒冷都市の複合公共空間デザインの解析評価法の構築を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)