| Project/Area Number |
22K04494
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末廣 香織 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (80264092)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渕上 貴代 近畿大学, 産業理工学部, 講師 (30907936)
野口 雄太 福岡大学, 工学部, 助教 (40881090)
田上 健一 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (50284956)
内田 貴久 崇城大学, 工学部, 助教 (80882761)
佐藤 哲 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (90511296)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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| Keywords | 熊本地震 / 仮設住宅 / みんなの家 / 利活用 / 災害伝承 / 集会所 / 移設 / 再利用 / 被災地 |
| Outline of Research at the Start |
熊本地震後に建設された仮設住宅には、集会所である「みんなの家」が合計84棟建設された。これらは仮設住宅の閉鎖後にも、半数以上が住民とのワークショップなどを経て再利用されており、市町村に移管された仮設住宅にそのままの形で残るものから、解体移築や合築されて、全く異なる形になったものまで、様々な事例がある。みんなの家は、仮設で暮らした方々にとっては思い出の残る建物でもある。それを資源としても、記憶としても継承することは、持続可能な社会とコミュニティを考える上でも大きな意味を持つ。この一連の流れを明らかにし、被災者の痛みを軽減し、持続可能で創造的な復興を成立させる要因について考察する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2016年熊本地震をきっかけに仮設住宅団地に整備された木造の集会所「みんなの家」は、その後の仮設住宅団地の閉鎖後とともにその役割を終えた。しかし熊本県は、補助金を整備するなどして、各市町村が「みんなの家」を利活用する取り組みを後押ししてきた。この利活用の方法には、建設された敷地でそのまま用途を変更して使い続けられるもの、曳家して使われるもの、解体移築されて使われるもの、解体されて部材のみが再利用されるものまで多様なケースがある。 2024年度中には、こうした「みんなの家」84棟のほとんど全ての利活用が完了したので、それぞれの建物がその後どのように利活用されたかについて、基本的なデータをとりまとめた。また前年度までの研究では、利活用時の施工技術的な課題、資材の再利用率などについて、主に物理的な側面から利活用の実態をまとめてきた。そこで2024年度は、こうした利活用が災害を記憶して伝承する意味をもつのではないかという社会的な視点に立って調査を行った。その結果、各市町村ごとに利活用事業への取り組みの積極性や手法に違いがあったこと、特にコミュニティ内で利活用された事例では災害伝承の場所として意識されていることなどが分かった。また、当初の計画時に仮設住宅の居住者と設計を担当した建築家が計画内容を検討するワークショップを行った「本格型みんなの家」については、その後の利活用時にも同じ建築家が設計を担当した。ここでは利活用後にも、当初の建物のイメージをできるだけ保持するように意識されていることが分かった。また利用者も被災後の仮設住宅団地の話をこどもたちに語るなどして、記憶が継承されていることが分かった。こうした研究成果については、日本建築学会九州支部研究発表会にて発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2024年度中には、熊本地震の仮設住宅団地に建設された「みんなの家」84棟のほとんど全ての利活用が完了したので、熊本県、各市町村へのヒアリングや資料提供によって、その基本的なデータをとりまとめた。 2023年度までは、主に二つ以上の「みんなの家」を解体して移設する時に、一つの建物として合築し、新しい用途の建物として活用する事例を中心に調査を行った。ここでは主に合築時の施工技術的な課題、資材の再利用率などについて、主に物理的な側面から利活用の実態をまとめた。しかし、特にコロナ禍において特に高齢者が多い現地でのヒアリング調査を進めにくかったこともあり、想定していたほどは調査を順調に進められなかった。 2024年度は、こうした利活用が災害を記憶して伝承する意味をもつのではないかという社会的な視点に立って調査を行った。熊本県や各市町村を対象にしたヒアリングや資料収集によって、各市町村ごとに利活用事業の特徴をまとめ、「本格型みんなの家」の設計者や利用者へのヒアリングを通じて、被災後の仮設住宅団地の記憶がどのように継承されているかについて考察を進めた。調査自体は順調に進められたものの、まだヒアリングが完了しない事例や、復興事業が計画通りに進まず、それに伴って利活用のスケジュールも遅れる事例があり、研究スケジュールも遅れることになった。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、熊本地震のために建設された「みんなの家」全84棟の利活用の実態と課題や可能性については把握できた。今後は研究の内容を整理して一つの論文の形でまとめて日本建築学会などで発表するとともに、一般の方にも分かりやすい形でポイントをまとめた資料を作成して公表したい。 一般への公表の方法としては、熊本地震を契機として組織され、被災地の支援活動を行ってきたKASEI(九州建築学生仮設住宅環境改善)プロジェクトのウエブサイトを中心にSNSなどで行う。また、2024年能登地震被災地でKASEIと同様の仮設住宅支援の活動をしている「gappa能登」とも連携して、現地の自治体とも成果を共有する予定である。
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