Project/Area Number |
22K04583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25010:Social systems engineering-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
室町 幸雄 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (70514719)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 金融リスク管理 / 資産負債管理 / 金利リスク / 信用リスク / 局面転換 / 銀行内部データ分析 / ビッグデータ |
Outline of Research at the Start |
本研究では,金融機関の資産・負債ポートフォリオの将来価値に影響を及ぼすリスクファクター(金利,クレジットスプレッド,為替レートなどを想定するが,拡張は可能)の変動を局面転換を考慮した確率モデルで表現し,局面の存在を踏まえて資産・負債の債務者属性やリスクファクターへの依存性を分析することで,資産・負債のリスク特性をより詳細に分析し,資産・負債ポートフォリオのリスク評価に関して新たな知見を得ることを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究のリスク計測への応用に関する理論論文を英文学術雑誌に投稿したところ,興味深いモデルであると評価された.しかし,数理モデルの一部に標準的でない表現が使われていること,パラメータ推定法の検討が足りないことなど多くの問題点を指摘され,論文の改訂が要求された.そこで,レフェリーの指摘に沿ってモデルを変更したところ,推定結果は改善し,指摘された問題点の多くが解消した.それらの結果をもとに理論計算をやり直し,結果をまとめて改訂稿として提出した.現在は改訂稿の査読中である.なお,この理論研究に関しては,改訂前の成果を11月の日本ファイナンス学会において口頭発表した. 一方,公開データを用いた住宅ローンのデフォルト・全学繰上返済・一部繰上返済に関する拡張Coxモデル・区分Coxモデルによる実証分析を共著論文としてまとめ,国内学術雑誌に投稿した.現在は査読中である. この実証分析は,国内某大手銀行のご協力のもと,2023年8月からは行内内部データのご提供を得て,より詳細な分析を実施できるようになった.この実証分析は,分析内容を債務者属性も含む形に拡充し,さらに経済の局面転換も考慮することで,本研究のモデルとリンクした実証研究と位置付けられている.現時点では,共変量である経済変数のタイムラグに関する議論を整理し,これまでよりも一般的に扱う枠組みを構築して分析を行っている.なお,この研究では大手銀行が保有しているビッグデータを取り扱うため,本学とデータ提供元の銀行以外からもビッグデータ解析のスペシャリストにも参加していただいており,三者間の共同研究として進められている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実証分析面では,データ分析の開始までに想定以上に時間を要したため,分析の着手が実際には9月からになってしまった.また,大手銀行のビッグデータの取り扱いが予想以上に難しく,事あるごとにビッグデータ処理のエキスパートの手を借りる必要が生じるため,データ分析のスケジュールも当初に比べて遅れている. 理論面では,レフェリーの指摘に従ってモデルの数理的表現を一部変更したところ,パラメータの推定結果が大幅に改善したが,そこに至るまでに想定以上の時間を要してしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針は,1)理論論文の早期採択を目指すこと,2)銀行行内データの実証分析をより効率的に進め,今年度中に投稿論文にまとめること,である. 1)に関しては,投稿中の論文の採択を第一とする.一方,パラメータ推定結果が改善したことで多くの問題点が解消したが,この問題の根幹はデフォルト強度が負になりえるモデルを使用している点にある.実務的なパラメータ推定の容易さを考えて選択したモデルであったが,理論的にデフォルト強度が負になりえる点は解決していない.今後は,理論的に負になりえないモデルを用いてパラメータ推定を行えるように改善していくことが望ましい. 2)に関しては,債務者属性データを用いて更なるビッグデータの解析を行うという方向性と,局面転換データを併用したデータ解析を行うという方向性が考えられる.幸い,4月より研究分担者が加わったので,適宜分担して進めていく予定である.
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