光誘起現象を制御した複合ナノ結晶材料の設計と医光応用
Project/Area Number |
22K04713
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26030:Composite materials and interfaces-related
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
柳谷 伸一郎 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (40314851)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 悟 大分大学, 理工学部, 客員研究員 (60352150)
南 康夫 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (60578368)
高成 広起 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (70723253)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | フォトポレーション / ナノ複合粒子 / プラズモニクス / 金ナノ粒子 / 酸化チタン / 光と細胞の相互作用 / 局在プラズモン共鳴 / 金属ナノ粒子 / 光熱効果 |
Outline of Research at the Start |
我々は、①光によって発生する熱や電子を制御するための複合ナノ結晶の設計(計算機シミュレーション)と作製、②超短パルスレーザーやテラヘルツ光まで視野に入れた光物性測定を行う。さらに、③化合物の細胞内導入補助機能や光熱や光線力学による細胞死など、複合ナノ粒子と細胞の相互作用について分光顕微法によって行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①光によって発生する熱や電子を制御するための複合ナノ結晶の設計(計算機シミュレーション)と作製、②超短パルスレーザーやテラヘルツ光まで視野に入れた光物性測定。さらに、③化合物の細胞内導入補助機能や光熱や光線力学による細胞死など、複合ナノ粒子と細胞の相互作用の解明を目的として研究を行った。本年度は初年度として実験系の構築や試行実験、実験条件の検討を主に行い、以下の知見を得た。 ① 金ナノ粒子/酸化チタンナノ構造体を作製し、酸化チタン成長条件とナノ結晶構造の関係について検討を行った。金ナノ粒子結晶粒子上に核生成した酸化チタン結晶は、金ナノ粒子があるときと無いときで結晶性に変化が見られた。また、酸化チタンの膜厚を増加させることによって成長とともにアナターゼ結晶が発現することを高分解能電子顕微鏡及び、エネルギー分散型X線分光法により明らかにした。 ② 複合ナノ粒子作製過程で得られる金ナノ粒子/酸化チタン積層膜について、紫外可視分光法、テラヘルツ時間分解分光法等を使って光吸収特性について測定を行った。金ナノ粒子の局在プラズモン共鳴波長が酸化チタンの存在により赤方遷移していることを確認した。 ③ モデル癌細胞としてHeLa細胞を用い、フェムト秒レーザーによるフォトポレーションの実験系の構築、及び測定条件の探索を行った。フォトポレーションにより細胞が変化する様子のその場観察を行ったところ、細胞培養液中に金ナノ粒子を添加した時、細胞の形態変化と内容物溶出が確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
① 本年度は、特にスパッタ法による金ナノ粒子上の酸化チタン結晶成長の多形制御と成長速度制御の関係について調査した。電子顕微鏡法用いて、結晶グレインの回折パターンから酸化チタンのアナターゼ構造であることが確認出来、成長条件との整合性がとれていたが、一方では、金ナノ粒子を基板とした不均一核生成及びその成長であるため、金ナノ粒子近傍ではアモルファス構造であることが確認されたことなど、概ね順調に進んでいると思われる。 ② 作製したナノ複合粒子の顕微ラマン測定等を行い、光学的にも酸化チタン結晶がアナターゼ型であることを確認したことなど、順調に進展していると思われる。 ③ HeLa細胞表面に金ナノ粒子を分散し、超短パルスレーザーによりフォトポレーションを成功させた。こちらについても順調に進んでいると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は以下の研究を主に行う。 目的1について、今後はこのアモルファス構造を抑制するための作製条件の探索を行う。具体的は、酸化チタンのマグネトロンスパッタの後処理について検討を行う。 目的2について、複合ナノ粒子の計算機シミュレーションを行い、吸収スペクトルの実験と理論計算から複合ナノ粒子の局在プラズモン共鳴の素過程について検討する。 目的3について、波長可変フェムト秒レーザーを用いた、複合ナノ粒子を用いた細胞フォトポレーションの波長依存性の検討、HeLa細胞以外の癌細胞についてフォトポレーションの検討を行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)