機能性酸化物単結晶育成用坩堝の低コスト・高強度化を達成するIr-Mo傾斜膜の開発
Project/Area Number |
22K04720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26030:Composite materials and interfaces-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 浩樹 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任准教授 (80540947)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | CVD / 成膜 / イリジウム / 傾斜材料 / 熱CVD / モリブデン / 傾斜機能膜 / 坩堝 |
Outline of Research at the Start |
酸化物単結晶は、多くの分野で用いられる重要な機能性材料であるが、融点が1,500℃以上のものが多く、一般にイリジウム(Ir)坩堝を用いた高周波誘導加熱法で育成されている。一方、Irは貴金属で高価な上に、難加工材であることが課題である。 そこで、熱CVD法によるMo坩堝へのIr成膜に着目した。CVD膜の濃度に傾斜を持たせることで熱膨張率差による剥離の抑制が期待できるが、膜の機械的・化学的性質は、膜の微細構造や組織構造、ひいては成膜条件に依存する。そこで本研究では、熱CVD法で得られるIr-Mo傾斜膜構造と膜強度との関係性を見出し、高温環境下でも劣化のないIr-Mo傾斜膜の実現可能性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、熱CVD法によりMo基材上へのIr-Mo傾斜膜の成膜を行い、得られるIr-Mo膜の膜厚や組織・微細構造と機械的強度の関係性を見出し、高温環境下でも剥離することのないIr-Mo傾斜膜の実現可能性を明らかにすることを1つ目の目的とし、さらに実際にMo坩堝へIr-Mo傾斜膜を成膜し、中に酸化物原料を入れ、高周波誘導加熱法により溶融させることで、化学的安定性、また実用性を実証することを2つ目の目的としている。 令和5年度は、1.高周波誘導加熱型CVD装置による大型基材へのイリジウム成膜条件最適化、2.膜構造・組織評価、3.機械的強度評価条件出しを計画し、研究を進めた。1.高周波誘導加熱型CVD装置による成膜条件最適化に関しては、電磁界-熱シミュレーションによる高周波誘導加熱解析を行い、その結果をもとにIridium (III) acetylacetonate (分子式:C15H21IrO6)を用いたMo基材および坩堝上へのCVD成膜実験を進めた。キャリアガスの種類(Ar、H2)および流量、圧力、基材の温度の最適化を行うことで、Ir-Mo傾斜膜が得られた。2. 膜構造・組織評価に関しては、イオンミリングによる膜断面のSEMおよびEBSD観察の条件検討を進めた。3. 機械的強度評価条件出しに関しては、スタッド・プルを用いた評価系の検討を進めた。令和6年度は、今年度の成果をもとに高周波誘導加熱型CVD装置を用いたMo坩堝へのIr成膜条件の最適化を行い、膜構造および機械的強度の最終評価を進め、成膜坩堝を使用した酸化物溶融試験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに、高周波誘導加熱型CVD装置を立ち上げ、プレート形状だけではなく坩堝形状のMo基材への成膜を進めることが出来た。膜の評価に関しても、概ね計画通り進められており、最終年度の令和6年度において、イリジウム成膜モリブデン坩堝を使用した酸化物溶融試験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に電磁界-熱シミュレーションによる高周波誘導加熱型大型CVD装置をの熱解析を行い、成膜条件の最適化を行うことができた。この成果をもとに、最終目的であるモリブデン「坩堝」へのイリジウム成膜条件出しを進める。また、Ir-Mo傾斜膜については、SEMやEBSDにより断面観察・評価を行い、その結果を成膜条件にフィードバックさせる。加えて、機械的強度評価手法を使用し、膜強度についても評価を行い、同様にその結果を成膜条件にフィードバックさせる。これらの結果を融合させることで、Ir-Mo傾斜膜を成膜したモリブデン坩堝を用いた酸化物溶融試験を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)
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[Presentation] Protective iridium film coating by chemical vapor deposition on metal substrate2023
Author(s)
Hiroki Sato, Takashi Goto, Yuui Yokota, Kei Kamada, Yuji Ohashi, Shunsuke Kurosawa, Masao Yoshino, Akihiro Yamaji, Takashi Hanada, Rikito Murakami, Takahiko Horiai, Atsushi Okuno, Akira Yoshikawa
Organizer
19th International Conference on Thin Films
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[Presentation] Protective coating of precious metal films on high-melting-temperature metals by chemical vapor deposition2023
Author(s)
Hiroki Sato, Takashi Goto, Yuui Yokota, Kei Kamada, Yuji Ohashi, Shunsuke Kurosawa, Masao Yoshino, Akihiro Yamaji, Takashi Hanada, Rikito Murakami, Takahiko Horiai, Atsushi Okuno, Akira Yoshikawa
Organizer
The 11th Pacific Rim International Conference on Advanced Materials and Processing
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[Presentation] Preparation of Iridium Films by Chemical Vapor Deposition on Metal Substrates2023
Author(s)
Hiroki Sato, Takeshi Goto, Yuui Yokota, Takahiko Horiai, Masao Yoshino, Akihiro Yamaji, Rikito Murakami, Takashi Hanada, Satoshi Toyoda, Yuji Ohashi, Shunsuke Kurosawa, Kei Kamada, Atsushi Okuno, Akira Yoshikawa
Organizer
International Conference on Crystal Growth and Epitaxy
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