Project/Area Number |
22K04773
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
梶川 翔平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (00772815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保木 孝 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90361823)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 木材・木質材料 / 塑性加工 / 静水圧効果 / 大変形 / 金型 |
Outline of Research at the Start |
木材が本来有する強靭な組織構造や美しい外観を残しながら大変形加工できる技術として,木材の高静水圧塑性加工法を開発する.本工法によって,高静水圧状態下にて木材を塑性加工すると,静水圧効果によって材料の破壊を抑制しつつ,大変形加工できる可能性がある.提案工法を実現可能な高静水圧プレス成形装置を作製し,一般的な木材や高密度木材を対象として,加工時における静水圧状態が成形挙動に及ぼす影響を調査するとともに,高強度な複雑形状部品を成形するにあたって適正な加工条件および得られた成形品の特性を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,密度が異なるバルク材(スギ,ウリン)に対して鍛造加工実験を行い,加工時の流動変形挙動や成形品の特性に及ぼす素材の組織構造の影響を検討した.また,1年目に製作した高静水圧プレス金型を用いて,バルク材の鍛造加工や圧粉体の射出成形実験を行い,後方圧力が成形性に及ぼす影響を調査した.主な実績は以下の通りである. (1) 鍛造加工時において,内部に空隙が多いスギ材と比べ,高密度なウリン材の場合に流動変形が生じやすい傾向を示した.成形中のウリン材の断面を観察した結果,放射組織や柔細胞の部分が滑ることによって,流動変形が生じている可能性が示唆された.成形品の密度分布を測定した結果,ウリン材から得られた容器は,素材よりも高密度化しており,密度分布もおおよそ均一であった. (2) 高静水圧プレス金型を用い,後方圧力を加えながら,ウリン材の鍛造加工を行った結果,適切な大きさの後方圧力を加えることによって,金型端部における材料の充填性が改善した.後方圧力が過大の場合,金型内部の圧力が高くなりすぎるため,流動変形が生じない.後方圧力の大きさのみならず,昇圧スケジュールも成形性に影響した. (3) 高静水圧プレス金型を用い,後方圧力を加えながら,天然系バインダを混合したスギ圧粉体の射出成形を行った.後方圧力を加えない場合,成形品端部の密度が低くなるため,色ムラが生じた.後方圧力を加えると,成形品端部における密度低下が抑制され,均一な外観を持つ成形品が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高密度木材を用いた場合の成形性や変形メカニズムについて明らかにし,高密度木材が鍛造加工用材料として,優れていることを明らかにした.また,バルク材や圧粉体を対象として,後方圧力を付与した状態で成形を行い,後方圧力の付与が成形品端部に生じる不良の抑制に効果があることを示した.上記の理由により,「おおむね順調に進展している」と評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
後方圧力の大きさや昇圧スケジュールが成形性に及ぼす影響を詳細に調査し,高い成形性を得るにあたって適正な条件を明らかにする.また,2年目までの調査において,高密度木材の成形性が良好であったことを踏まえ,人工的に成形性の高い高密度木材を作製し,成形する方法を検討する.適正条件の検討や木材の変形メカニズムの考察にあたって,有限要素法(FEM)および個別要素法(DEM)による連成解析の活用も検討する.
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