Project/Area Number |
22K04791
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26060:Metals production and resources production-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
篠竹 昭彦 帝京大学, 理工学部, 教授 (10373812)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 製鉄 / 高炉 / 固気二相流 / 伝熱 / 竪型炉 / シャフト炉 / シミュレーション / カーボンニュートラル / 水素 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、CO2を全く排出しない水素還元製鉄炉の開発を想定し、シャフト炉型の固気向流移動層において、水素を還元ガスに、高温窒素を昇温媒体として固体粒子を昇温・還元する過程の、流れ・伝熱・還元反応のメカニズム解明を目的とする。ガス流れ、固体流れ、伝熱、化学反応を連成して温度や還元率分布を計算できるモデルを開発する。モデルの妥当性を検証して必要な修正を行うことを目的とする模型実験を並行して行う。これらの成果を合わせて、水素還元製鉄炉の伝熱・還元機構の基本原理を明らかにし、大規模実用プロセスの設計につなげていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
気体を加熱して固体充填層に送って固体を昇温する実験装置において、昨年度見つかった問題点を解消するために装置の改造を計画し、設計、改造を行った。実験開始時に固体充填層へ流入する気体が十分に昇温しておらず気体自体が温度上昇しながら固体を昇温したため固体への伝熱量の時間変化が正確に測定できなかった問題について、加熱気体のバイパスルートを増設して、気体が十分に昇温するまでバイパスルートへ流し、目標温度到達後にバルブを切り替えて固体充填層側へ導入できる構造とした。また、固体充填層で圧損が生じて流量計での測定流量と実通過流量が異なる問題について、固体充填量を見直して、圧損が少なくなる条件で実験を行った。コンプレッサーから空気を送り、流量計を通して加熱する実験を実施し、問題点が改善されたことは確認した。ただ、充填層に流入する気体の目標温度到達時間は早くなったものの、測定開始時から目標温度で流入してはおらず、完全な問題解消には至っていないため、改良を継続中である。この状況により、改造装置でガス種を変更する実験までできていない。 固体-気体の伝熱シミュレーションについては、実験装置相当の円筒状の計算領域に固体粒子を充填して高温ガスを通過させて固体を昇温する伝熱モデルにおいて、ガス種として研究計画調書に記載した水素単独、および、水素・窒素の混合ガスを通過させた場合について計算を実行した。体積流量一定で水素の一部を窒素に置き換えても固体への伝熱にあまり差異はないという計算結果が得られた。当初の想定結果とは異なっていたため、結果について検討したところ、窒素と水素ではガス密度が大きく異なるため、質量流量は大きく異なるが、体積当たりの比熱は同等レベルのため、体積流量一定で水素を窒素に置き換えても気体の持ち込み熱量はほとんど変わらないためであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
CFDソフトを用いたシミュレーションモデルについては、実験装置形状の領域での固体充填層を通過するガスによる固気伝熱のシミュレーションでガス種を変えた場合の伝熱の違いを計算して比較することを優先して実行したが、当初に計画していた固体流れや還元反応を計算できるモデルは作成途上で、完成に至っていない。 実験については、実験装置の改造を行って、初年度に発現した課題を改善したものの、まだ測定上の問題は残っており、改良を継続中である。また、改良した装置によるガス種を変更する実験が未実施となっている。 遅れの理由として、当初の想定より研究にかけるマンパワーが不足していることがある。具体的には、研究代表者である自分が組織の長を務めているために組織運営業務が多く研究に十分な時間が充てられなかったこと、実験の推進に協力してくれる研究室スタッフ(研究室に配属される学部生や、進学した大学院生)が少なく研究戦力不足だったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画より進捗はかなり遅れているが、計画に沿って継続して推進していく。 CFDソフトを用いたシミュレーションモデルの作成については、作成途上である固体流れと、酸化鉄の水素還元反応モデルの組み込みを進めていく。これらを組み込んだモデルを用いて、ガス流量、温度、固体側の粒径や組成などをパラメータとしてそれらの組み合わせを変えたシミュレーション(ケーススタディー)を行い、炉内の温度・ガス組成・還元率分布などを計算する。 実験の方は、装置、実験方法の改良を進めてより精度の良いデータが取れるように装置を引き続き改良し、シミュレーションモデルの計算との比較ができる実験を行う。
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