Development of 1um-wavelength-laser-pumped ZnSe mid-infrared wavelength-conversion devices
Project/Area Number |
22K04971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
庄司 一郎 中央大学, 理工学部, 教授 (90272385)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 中赤外レーザー / 波長変換 / 常温接合 |
Outline of Research at the Start |
波長3~20 umの中赤外域における任意の波長でレーザー光を得るためには,レーザー光の波長変換が必須となる.最近,高効率かつ高出力に17 um程度まで発生可能なガリウム砒素(GaAs)波長変換デバイスが注目されているが,励起用レーザーとして2 umより短波長を用いることができない.本研究では高出力な1 um帯レーザーで励起可能な波長変換デバイスを開発し,従来よりはるかに高効率・高出力な中赤外光発生を実現することを目的とする.波長変換材料としてセレン化亜鉛(ZnSe)を用い,最適な厚さのプレートを結晶方位を互いに反転させながら多数枚積層した構造を,常温接合技術を駆使して作製しデバイス化を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では高出力な1 um 帯レーザーで励起可能な波長変換デバイスを開発し,従来よりはるかに高効率・高出力な中赤外光発生を実現するために,セレン化亜鉛(ZnSe)プレートを多数枚積層した擬似位相整合構造を,常温接合技術を駆使して作製することを目的としている. 高効率化を実現するためには,多数枚接合した構造の高品質化を図ることが最も重要である.接合界面に隙間が生じると入射光および波長変換光が散乱され透過率が低下するため効率も低下する.そこで,高透過率を有する接合構造の作製を目指してきた.ZnSeは高価であるため,昨年度はGaAsを用いて高品質接合条件の最適化を行った.プレート試料を平坦性の高いYAG結晶状に設置し,試料表面の位置がアルゴン原子ビーム強度最大となるように調整することで,波長10.6 umにおける1接合界面あたりの散乱損失が従来の0.9 %から0.4 %に改善した.ただし,GaAsでは接合界面の状態評価は赤外光でしか行えないため,さらなる改善を目指し,今年度は可視光も透過するGaPを用いた最適化に取り組んだ. GaAsと同じプロセスでGaPプレートの接合を行ったところ,大きさ数 um程度の微小なゴミが1個でも混入するだけで,その周辺が未接合部となり干渉縞が生じることが顕微鏡観察により目視で明らかとなった.そこで,ゴミを完全に除去するプロセスを考案しそれを用いて接合を行ったところ,干渉縞のない20枚接合構造を作製することに成功した.さらに,同様のプロセスでZnSeプレートについても接合を行った結果,ダストフリーの2枚接合構造作製にも成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では高透過率の擬似位相整合構造を作製することが必ず達成する必要のある課題であり,そのために最も重要なのは接合界面での散乱損失の低減である.昨年度は主にプレート接合時の平坦性を維持することにより,接合界面での隙間を低減する手法を検討したが,それでも散乱損失が残存したため,本年度はさらなる改善に注力した.その結果,微小なゴミの混入が散乱損失に大きな影響を及ぼしていることがわかり,その影響を除去するプロセスを確立することに成功した.このため,ZnSeの多数枚接合構造の作製および波長変換実験による評価までは至らず,当初計画よりやや遅れている.しかしながら,次年度は本年度確立した手法を用いてZnSeプレートの高品質な多数枚積層構造の作製および評価を遂行できるものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,前年度確立したプロセスを用い,ZnSe多結晶プレートを用意して干渉縞のない20枚積層構造を作製し,散乱損失の評価を行う.次に,ZnSe単結晶プレートを用い,50枚以上の積層構造の作製を目指す.20枚積層構造では単純に1枚ずつ追加接合して問題ないが,それ以上だとプレート表面の変形が蓄積し,接合品質が劣化する可能性がある.そこで本研究では次のプロセスによる方法を試みる.(i) 20枚積層構造の1枚目と20枚目は厚さ500 um程度のプレートを接合する.(ii) 20枚積層後に1枚目と20枚目を他のプレートと同じ厚さまで平坦性よく研磨する.(iii) これらの20枚積層構造同士を多数作製し,それらを互いに接合することにより,高品質な50枚以上の積層構造を実現する. GaAsとZnSe両方に対し,上記方法により50枚以上の積層構造を作製し,評価する.波長変換による評価として,QスイッチNd:YAG高出力パルスレーザー(波長1.064 um)を励起光源として光パラメトリック発生実験を行い,ZnSeとGaAsとで変換効率を比較する.ZnSeに比べ, GaAsでは1 um帯励起による2光子吸収が生じるため,変換効率の低下や,高出力励起による光損傷も生じることが予想される.それらを定量的に比較し,ZnSeの優位性を検証する.
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)