原子力発電プラント構造物の放射化計算のための革新的超高速計算フレームワーク
Project/Area Number |
22K04979
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 豪 北海道大学, 工学研究院, 教授 (50421524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 中性子輸送 / 決定論的手法 / 多群断面積 / エネルギー群縮約 / 決定論手法 / 連続エネルギーモンテカルロ / 放射化計算 / 中性子輸送計算 / ガンマ線輸送計算 |
Outline of Research at the Start |
役割を終えた原子力発電プラントに対して行われる「廃止措置」により、プラントの跡地は再利用され、そこで発生した放射性廃棄物は然るべき方法により廃棄・管理されます。国土の狭い我が国では、原子力発電プラントから発生する放射性廃棄物の量を可能な限り抑制することが重要であり、そのためには、プラントの構造物がどの程度の「放射能」を帯びているかを正確に把握する必要があります。本研究は、原子力発電プラントの構造物が有する放射能を、高速かつ高精度に評価するための画期的な方法を開発することを目的としています。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究により、エネルギー群数を4284とした多群計算により連続エネルギー計算と遜色ない精度の解が得られることを明らかにしたことを受けて、4284群の中性子輸送計算によって得られる角度中性子束の情報に基づいて少数群断面積を計算し、その位置依存性を定量的に評価した。また、得られた位置依存の少数群断面積に対して有理近似によるフィッテングを試み、精度の良い評価が困難であることを明らかにした。 加えて、少数群断面積において、中性子流を重みとした全断面積を導入することにより、エネルギー群の縮約誤差を低減できることを明らかにした。さらに、縮約誤差の低減手法として、原子炉の炉心計算において実績のあるSuperhomogenization(SPH)法の適用を図り、中性子遮蔽計算でのその適用性の範囲を評価した。SPH因子の反復において収束が得られないという結果が得られたが、輸送近似の適用や、SPH因子の補正を行う部分反応断面積を限定させるといった方法によりSPH因子の収束が得られることを明らかにした。 さらに、上述の4284群構造に加えて、放射線遮蔽計算分野で広く用いられているVITAMIN-B7の199群構造と群構造を共有する新たな4412群構造を作成し、計算を実施した。 以上の検討は全て一次元球体系で行っていたが、検討対象を多次元問題に拡張することを企図し、研究に用いている汎用炉物理コードシステムCBZに対して、(r,theta)座標系への適用が可能な離散座標法モジュールの実装を行うとともに、多群エネルギーモンテカルロコード等との比較を行い、その妥当性の検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書では、本年度は、位置依存の多群定数作成のための有理近似の適用、角度求積セットのadaptiveな最適化に関する検討、種々の中性子透過問題の解から帰納的にモデルを得るための方法の検討を実施するものとしていた。 一点目については、少数群への縮約誤差を低減する手法として、少数群断面積の位置依存性を考慮するための有理近似法の導入やSPH因子法の導入を試み、これらの手法の問題点を明らかにした。一方、二点目、三点目については、顕著な成果は得られなかった。 一方で、交付申請書には明確に記載していなかった、(r,theta)体系のための中性子輸送ソルバーの開発を完了させた。来年度の研究で有効に活用される予定である。 以上を踏まえ、現在までの進捗は概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度開発した(r,theta)体系用の中性子輸送モジュールを用いて、(r,theta)体系で記述される多次元の中性子輸送問題を設定し、参照解を得るとともに、一次元モデルを用いて縮約を行った少数群断面積を用いた計算の精度を定量的に評価する。この際、少数群断面積の位置依存性の考慮やSPH法の導入など、縮約誤差を低減させる手法の導入を図る。それと同時に、縮約誤差を抑制する少数群エネルギー群構造を探索するアルゴリズムの開発を進め、高精度の少数群中性子輸送計算手法の確立を図る。 また、以上で確立された高速・高精度の中性子輸送計算手法を用いて、計算の入力となる核データの不確かさが中性子輸送計算解に及ぼす影響をサンプリング法により定量的に評価するとともに、線形性を仮定した際の誤差を定量化する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)