Project/Area Number |
22K05060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 俊司 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (10213042)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 曲がったπ共役系 / 湾曲ナノグラフェン / ナノカーボン材料 / 固体発光性分子 / 芳香環連結反応 / 蛍光炭素量子ドット / ナノカーボン / カーボンナノフープ / ヘリセン / 固体発光 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は、ヘキサベンゾコロネン骨格を基本ユニットとして歪んだ芳香環の構築、5員環や7員環の奇数員環の導入による曲面構造を持った湾曲ナノグラフェンの構築やヘリセンのように湾曲させたナノグラフェンの構築を基に、分子内に誘起された歪みにより反応に耐え得る溶解度の確保と曲がったπ共役系が示す「効果的なバンドギャップの低減効果」、さらに、フープ状構造の形成による「固体状態でのスタッキングの抑制効果」を活用して、近赤外領域に高強度の固体発光特性を併せ持つCNTセグメント様の巨大な分子状のナノカーボン材料の創成を成し遂げようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、曲がったπ共役系が示す「溶解度の改善効果」と「効果的なバンドギャップの低減効果」、さらに、フープ状構造の形成による「固体状態でのスタッキングの抑制効果」を基に近赤外領域に高強度の固体発光特性を示す巨大分子ナノカーボン材料の創成を成し遂げようとするものである。本研究課題においては、高効率な芳香環の連結反応の開拓と共に、(1)歪の誘起により溶解度が確保された巨大な芳香環の構築を経て巨大なフープ状のπ共役系空間を構築、また、(2)5員環や7員環の奇数員環の導入による曲面構造を持った湾曲ナノグラフェンの構築や(3)ヘリセンのように湾曲させたナノグラフェンの構築を基に、「近赤外領域で高強度の固体発光特性を示す巨大分子ナノカーボン材料の創成」を試みている。 本研究課題の第2年度においては、近赤外領域に高強度の固体発光特性を示す巨大分子ナノカーボン材料の創成の課題解決に向け、特に、(3)のヘリセンのように湾曲させたナノグラフェンを基に、その曲面構造を利用して「CNTセグメント様のπ共役系空間」の構築を引き続き検討した。その結果、ヘリセン構造を含むメビウス型のπ共役系構造の有意な量での合成に成功したが、共役の効果が立体的に不利なためか、顕著なメビウス型のπ共役系の効果が確認されてこなかった。そこで、基本骨格と間にアセチレン構造を導入する試みと共にフープ状構造を小さく保ちつつ共役の効果が大きく表れるように8の字型の共役系の構築を検討した。また、形成されたフープ状構造や湾曲ナノグラフェン等へ酸化還元活性な電子供与能や電子求引能を持った芳香環の導入に向け、多彩な光・電子応答機能を有するアズレン誘導体の連結を可能とするヘテロ芳香環を配向基とするアズレン環の高効率な位置選択的なパラジウム触媒C-H活性化反応において、2位選択的な反応の高効率化を成し遂げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
曲がったπ共役系が示す「溶解度の改善効果」と「効果的なバンドギャップの低減効果」、さらに、フープ状構造の形成による「固体状態でのスタッキングの抑制効果」を基に近赤外領域に高強度の固体発光特性を併せ持つCNTセグメント様の巨大な分子状のナノカーボン材料の創成を成し遂げようと研究を進めている。 本研究の開始以降、π共役系に表裏のないメビウス型のπ共役系空間として、ヘリセン構造を持ったπ共役系空間に注目が集まっている。しかしながら、ヘリセン構造を含むメビウス型のπ共役系構造の有意な量での合成の結果、共役の効果が立体的に不利なためか、顕著なメビウス型のπ共役系の効果が確認されてこなかった。ヘリセン部位と連結するポリフェニレン骨格の立体障害より共役の効果が著しく低下していることが予想された。そこで、基本骨格と間にアセチレン構造を導入する試みを進めてきた。さらに、アセチレン構造の導入と共に8の字型に環状構造を形成することにより、歪を含み共役の効果の向上を合わせもつ湾曲ナノグラフェン構造の構築の検討も進めていった。また、形成されたフープ状構造や湾曲ナノグラフェン等へ酸化還元活性な電子供与能や電子求引能を持った芳香環の導入に向け、多彩な光・電子応答機能を有するアズレン誘導体の連結を可能とするヘテロ芳香環を配向基とするアズレン環の高効率な位置選択的なパラジウム触媒C-H活性化反応における高効率化の検討を進め、アズレン環においては反応性の低い2位選択的な反応の高効率化を成し遂げ、1,3位以外でのアズレン環の連結の可能性を開くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘリセンのような湾曲ナノグラフェンの曲面構造を利用したフープ状構造(メビウスカーボンナノフープ)の構築については、研究を進めた結果、最終生成物の物性の詳細な検討に必要とされる十分な量のフープ状構造の構築に成功している。その結果、ヘリセン部位と連結するポリフェニレン骨格との立体障害により共役の効果が著しく低下していることが支持される結果を得ている。そこで、基本骨格と間にアセチレン構造を導入する試みにも研究を発展させてきた。さらなる反応条件の検討を進め、アセチレン構造が導入された環状化合物の十分な量の合成を達成していきたい。さらに、アセチレン構造が導入された8の字型の環状構造の形成などを含めて、多様な側面からの検討に展開していきたい。 また、歪の誘起により溶解度が確保された巨大な芳香環の構築を経て巨大なフープ状のπ共役系空間の構築については、基本骨格となるこれまでの5員環や7員環の奇数員環の導入による曲面構造を持った湾曲ナノグラフェンの構築を経た湾曲させたフープ状のπ共役系空間の構築法に限界があると思われることから、巨大な芳香環の構築を行う新たに環化反応の試みを進めて課題の解決に結び付けたい。 さらに、形成されたフープ状構造や湾曲ナノグラフェン等への酸化還元活性な電子供与能や電子求引能を持った芳香環の導入に向け、多彩な光・電子応答機能を有するアズレン誘導体の連結を可能とするヘテロ芳香環を配向基とするアズレン環の高効率な位置選択的なパラジウム触媒C-H活性化反応において、導入位置の拡張を図ることでより拡張性の高い化合物群の合成を可能とする方法の開拓へと進めていきたい。さらに、これらの成果を論文として報告することで社会への還元を進めていきたい。
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