Project/Area Number |
22K05111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
溝田 功 三重大学, 工学研究科, 准教授 (80621218)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 含フッ素アミノ酸 / 極性転換反応 / ラジカル反応 / タンデム反応 / 含フッ素分子合成 / α-四級アミノ酸 |
Outline of Research at the Start |
含フッ素有機分子は、医薬、農薬分野におけるリード化合物合成には極めて重要である。本研究は、α-イミノエステルの極性転換反応に続く初のラジカル反応の開発と、それを土台とした様々な含フッ素分子合成を目的とする。特に、窒素原子上置換基を自在に制御できる含フッ素α-四級アミノ酸の合成法の確立を目指す。またブレスロー中間体のSET機構を活用した新しいフルオロカルボニル化合物合成法の開発も共に目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
含フッ素アミノ酸およびそのペプチドは、創薬分野、超分子化学分野で最も有望な化合物の一つである。中でもペルフルオロアルキルα-アミノ酸は、化学的・熱的に安定であり、ペルフルオロアルキル基を変えることでその疎水性、嵩高さ、電荷分布などの特性も調整可能であることから、ペプチドに新たな性質を提供できると期待されている重要な分子である。しかしながら、その効率的合成法は不斉反応を含めて数少なく、ワンポットでアミノ基の置換形式を自在に操作する手法はまだ存在しない。本研究では、α-イミノエステルの極性転換反応に続く初のラジカル反応の開発と、それを土台とした様々な含フッ素α-四級アミノ酸合成、特に、電位依存性チャネル結合増強剤を指向するタンデム反応の確立を目指した。 前年度までに、ベンゾイルギ酸エステル由来のα-イミノエステルに対し様々な条件で、極性転換反応/ラジカル付加反応を検討し、ペルフルオロアルキルラジカルを付加させることで四級含フッ素アミノエステルを得ることに成功したが、収率に多くの課題があることがわかった。これは、イミノ炭素にあるフェニル基の存在によって立体的に混み合っており、ラジカルとの反応が進行しにくいことが考えられる。そこで、反応点がより立体障害の少ないと考えられるアルキニルイミノエステルを基質に変更し反応を行った。反応は、極性転換/酸化によってイミニウムとした後に、アルキルラジカルを付加させる方法を用いて行った。その結果、収率が大きく向上し目的のラジカル付加体が得られることを突き止めた。今後本手法により多様な置換形式の四級アミノ酸合成が可能となる。現在更なる収率の向上およびこれらラジカル反応を駆使した様々な含フッ素α-四級アミノ酸合成を達成すべく、鋭意研究中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初想定していた程の実験検討ができていない。 現在アルキニルイミノエステルを出発物に用いることで、目的の四級アミノエステルが得られることを突き止める所までは進展した。しかしながら、収率に改善の余地がまだあり、より多くの反応条件の検討が必要な状況である。実験の進行状況の遅れとして、昨年度より雇用したポスドクが急遽帰国せざるを得なくなってしまったことで、開発速度が想定よりも低下してしまったことが挙げられる。そのため、今年度はさらに多くの大学院生に協力を仰ぎ反応開発を進める所存である。一方で、生成物がより多く得られてきていることから、酸化効率、開始剤、当量関係を検討することで、課題が解決でき、本プロジェクトが大きく進展できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したように、本プロジェクトは、望みのラジカル反応が進行した生成物をすでに得ることに成功している。本反応の最適化を行うことで、タンデム型極性転換反応/ラジカル反応の本質を知ることができ、これを応用することで含フッ素アミノ酸合成法の開発が大きく進展できるものと思われる。現在残っている最適化として、極性転換反応後の酸化効率の最適化、ラジカル発生のための開始剤、ラジカル付加の反応条件が挙げられる。また、酸化後のイミニウム中間体に対するラジカル種を様々な電子豊富ラジカル、中性ラジカルなどと反応させることで、反応の傾向を見出すことができ、ラジカル反応を構築できるものと考えている。さらに、異なるアプローチ法として、イミノ炭素にヘテロ原子を組み込んだ基質を使用するBreslow中間体経由のラジカル反応も候補に入れている。
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