Study on Detoxification of Contaminated Soils Using Phase Separation by Halides Addition
Project/Area Number |
22K05193
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34030:Green sustainable chemistry and environmental chemistry-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
難波 徳郎 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (80218073)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅野 安彦 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (90283035)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 汚染土壌 / 塩化溶融 / 相分離 / 揮発 / セシウム分離回収 / 無害化 |
Outline of Research at the Start |
汚染土壌中の放射性元素や重金属元素を選択的に除去する方法として塩化揮発法が注目されている。申請者は,塩化揮発を用いた実験を行う中で,MgCl2を添加し比較的低温で溶融することでNaCl相が相分離により析出し,土壌中のCsのほとんどが析出相に取り込まれることを見出した。NaCl相に有害元素を選択的に取り込むことができれば,水に浸漬することでNaCl相ごと溶出させ,ALPSなどの既存の処理装置で除去することができる。本研究では,実際の土壌にCsや重金属元素を微量添加し,種々のハロゲン化物と混合溶融し相分離と添加元素の分配挙動を明らかにすることで,汚染土壌の新規無害化処理法のプロセス設計指針を得る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,土壌に非放射性Csを添加し溶融することで,模擬汚染土壌をまず作製しておき,模擬汚染土壌に塩化物を溶融促進剤と共に添加し,低温で溶融処理することにより,塩化物相を揮発させるのではなく,固相で析出させ,Csを塩化物の固相に選択的に取り込ませることで土壌と分離し,Csを取り込んだ固相を水に溶解させ,その後イオン交換によりCsを分離回収するための処理プロセスの開発を目指している。 初年度では,MgCl2を添加した土壌を1100℃で溶融したが,土壌とは異なる白色の固形物が生成するものの,冷却後潮解してしまい,土壌と白色固形物を分離することができなかった。白色固形物は塩化物のはずなので,熱処理後の試料を水に浸漬し,塩化物相を溶解させることで土壌から分離することができると考えた。そこで,加熱処理後の3相(気相,不溶性固体相,可溶性固体相)へ分配されるCs量を調べることとした。組成分析を行おうとしたが,学内共同利用可能なICP装置がすべて故障していたため,不溶性固体と可溶性固体の組成分析を行うことができず,各相中のCs量を調べることができなかった。 2年目となる令和5年度は,ICP装置の使用を断念し,蛍光X線(XRF)装置により組成分析を行った。溶融温度が1050℃では,Li2CO3添加量が0.03 molの際,可溶性固体へ分配されるCs量が最大となった。そこで,Li2CO3添加量を0.03 molとし,溶融温度を1000℃に下げたところ,溶融時間が45分で可溶性固体へ分配されるCs量が最大の88%となった。これにより高温での塩化揮発ではなく,低温での塩化処理によりCsを分離除去できる可能性が高まった。 最終年度は,添加物の種類や量,溶融条件(温度,時間)を系統的に変化させ,Csの分配挙動を調べる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,添加物としてLi2CO3とMgCl2を用いた実験を行った。Cs含有模擬汚染土壌6gに対して,MgCl2添加量を1.9gに固定し,Li2CO3添加量を0から0.06molの範囲で変化させ,低温熱処理実験を行った。1050℃で熱処理した際は,Li2CO3添加量が0.03molで可溶性固体へのCs分配率が45%と最大の値を示した。この時,揮発したCs量も45%程度であった。 そこで,Cs揮発量を減らすことを狙って,熱処理温度を1000℃に下げて実験を行った。この際,Li2CO添加量は0.03molに固定した。60分までの範囲で溶融時間を変えて実験を行ったところ,45分で可溶性固体相へのCs分配率が最大の88%となった。この時,気相への分配率は2%と非常に低くなっていた。 これより,低温で熱処理することでCsの揮発率を抑制できることが確認できたが,10%程度のCsが不溶性固体(元の土壌)に残存しているので,今年度はさらにこの量も抑制できる条件を探索する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現状で得られている最適条件としては,Cs含有模擬汚染土壌6g,Li2CO3添加量0.03mol,MgCl2添加量1.9g(0.02mol)を1000℃で45分間熱処理した場合で,この時に可溶性固体,つまり塩化物相に分配されるCsの割合は88%となった。今後は,この値をさらに高めるよう,様々な条件で実験を行う予定である。融剤として用いているLi2CO3を別の融剤に変更したり,塩化促進剤として用いているMgCl2を別の塩化物に変更する予定である。これらの添加物の種類や量,溶融条件(温度,時間)を変化させて実験を行うことで,Cs分配に影響を及ぼす因子についても明らかにする。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)