Development of a method in which gas ingesting and diffusion characteristics can be evaluated even in a multicomponent system of gas and materials by using NMR spectroscopy
Project/Area Number |
22K05239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10240350)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | NMR / 気体収着特性 / 気体拡散特性 / 高分子材料 / 混合気体 / 高分子複合材料 |
Outline of Research at the Start |
高性能気体分離材開発などを志向するとき,材料の気体収着特性と拡散特性を正確に評価できなければならない。着目気体の量が信号強度に反映され,短時間における拡散移動が観察可能な,核磁気共鳴(NMR)法による評価方法の開発及びその精度の検証を行う。本研究で提案する評価方法は,混合気体における気体種別の収着・拡散特性や,複合材料などにおける特定領域ごとの評価を可能とする。具体的には,圧縮気体のNMR測定が安全かつ簡便に行えるシステムを構築し,気体収着・拡散特性が明らかにされている既存材料を対象に測定値の精度を確認し,混合気体や高分子複合材料などで検討を重ね,当該提案評価法の検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の研究実績は以下の4点である。 1.ゴム材料を対象に二酸化炭素共存下における分子運動性の変化を検討した。具体的には,時間領域核磁気共鳴法を適用して種々の温度下におけるゴム材料の水素原子核のNMR緩和時間を計測し,ゴム材料の分子運動性を評価した。二酸化炭素による分子運動性の変化は,温度範囲が限られる傾向にあった。ゴム材料中へ浸透した二酸化炭素の拡散性について磁場勾配パルス法(PFG-NMR法)で評価し,ゴム分子の運動性との相関を明らかにした。 2.ポリスチレンに収着したメタンおよび二酸化炭素の自己拡散係数をPFG NMR法で計測する条件を調べた。低感度な13C核を対象とした13C PFG法でメタンおよび二酸化炭素の自己拡散係数値が計測できることを確認した。これにより混合気体におけるそれぞれの自己拡散係数は評価可能となった。 3.ポリエチレンテレフタラート(PET)を対象に,キセノンを収着させて129Xe NMRスペクトルの観測を試みた。低圧力下ではスペクトルが得難いことを受け,令和6年度は試作した窒化ケイ素製の試料管を用いてより高い圧力での測定を行う。気体透過性能がPETと同程度であるポリ塩化ビニルでも同様な検討を行った。両者の比較から,気体透過性能を低下させる,即ちより良いガスバリアー材を分子設計するには,気体が存在し得る微小空間の縮小だけではなく,それらの連結性や高分子の運動性制御も重要であると指摘できた。 4.名古屋大学との共同研究で,流動性のあるソフトマターであるにもかかわらず,微小な固定空間を保持し続けていることを129Xe NMR法で確認した。このような材料は我々が知る限り世界で初めて確認されたものである。これは2023年11月10日付ドイツ化学会雑誌「Angewandte Chemie International Edition」オンライン速報版に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では,(1) フィルム状検体試料の出し入れ操作が容易で耐圧性が保証される特殊試料管の試作や,(2) 混合気体を用いた実験の試行,を進める予定であった。(1) については,特殊試料管の試作を年度初めに依頼したが製作作業が大幅に遅れ,年度末にようやく納品されたところである。現在,測定に供するための仕上げ加工をしているところである。その他の導入器の製作において各パーツは調達できているので,現在鋭意組み立て中である。(2) については,各種気体ならびにこれらを混合して一時保管するミニボンベは用意できており,特殊試料管システムの完成を待って順次計画とおりに測定する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は試作した特殊試料管システムを用いて,(ア) 定量評価の精度向上に必要な実験手法を確立し,(イ) 拡散係数の収着量依存を調べ,収着と拡散特性の相関を検討して材料の特徴を明らかにする。(ウ) 拡散係数の温度依存を調べ,材料の温度特性との相関を明らかにする。(エ) 拡散の評価方向を指定できるPFG法の利点を生かし配向試料の拡散異方性を明らかにする。以上の4点を実行する。 また,二酸化炭素またはXeを1成分とする混合気体を用いて,(カ) 各気体の収着量と拡散係数を求め,多段階収着や実用的な分離特性などを明らかにする。(キ) 単一気体での結果と比較し,材料の構造特性等を変化させている気体種を明らかにする。(ク) 129Xe NMR法の利点を生かし,共存気体による材料の凝集構造変化を明らかにする。以上の3点を実行する。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)