Project/Area Number |
22K05268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市村 正也 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30203110)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 水酸化物 / 水酸化マグネシウム / ドーピング / 薄膜堆積 / 価電子制御 / pn接合 / 化学堆積 |
Outline of Research at the Start |
化学的手法で水酸化マグネシウム薄膜を堆積する。伝導型および伝導度制御のため不純物元素をドーピングする。添加不純物は第一原理計算に基づき選択する。ドーピングは、通常の半導体と同様の置換型に加え、層間に取り込まれる層間型が可能である。同じ不純物元素でも原子のサイトによって特性が異なると予想されるので、ドーピングサイトの制御を試みる。伝導型制御を確立させたのち、pn接合ダイオードを作製し、「水酸化物エレクトロニクス」の可能性を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで絶縁体とみなされてきた水酸化物を、半導体・導体としてエレクトロニクスに応用する可能性をひらくことを目指す。特にMg(OH)2は極めて安価豊富な元素で構成されており、透明エレクトロニクス材料としてのメリットは大きい。本研究では化学的手法でMg(OH)2薄膜を堆積する。伝導型および伝導度制御のため不純物元素を添加する。伝導型制御を確立させたのち、pn接合ダイオードを作製し、「水酸化物エレクトロニクス」の可能性を実証する。2023年度は、ドロップ蒸発堆積法と電気化学堆積法にてMg(OH)2薄膜を堆積、その際に不純物を添加して電気的特性の制御を試みた。しかし不純物添加にて電気的特性を制御する試みはこれまでのところ成功していない(詳細は次項参照)。 並行して他の水酸化物についても研究を進めた。GaOOH薄膜のドロップ蒸発法による堆積に成功した。GaOOH薄膜は可視光域で高い透明性を有し、膜厚方向には半導体的な導電性がある。不純物添加はまだ試みていない。適当な不純物を探すため、第一原理計算を行いドナー、アクセプタの候補を探索し、SiとMgがそれぞれ浅いドナー、アクセプタになることを予測した。その成果は国際会議で報告し、また学術論文一編にまとめ発表した。また蒸発法にてAlOOH薄膜の堆積に成功した。さらにMg添加により電気伝導が増加することを見出した。このAlOOH膜はヘテロ接合の特性改善のため挿入される界面層として有用と考えられる。このAlOOHについての結果は国際会議で報告するとともに学術論文一編に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実績で述べたように、Mg(OH)2の電気的特性の制御にはまだ成功していない。電気化学堆積法では前年度行ったCu添加に加え、Co等の金属イオンおよび陰イオンである炭酸イオン(CO32-)の添加を試みた。しかし化学分析で添加が確認できたのはCoのみであった。また、Co添加による電気的特性の顕著な変化は観測されなかった。ドロップ蒸発堆積では、前年度に引き続き鉄Fe添加を試みるとともに、他の金属元素の添加も試みた。Niの添加には成功したが、電気的特性に顕著な変化は観測されなかった。 GaOOHについてはヘテロ接合の作製を試みた。n型半導体であるZnO、p型半導体であるNiOとのヘテロ接合を作製したが、どちらにおいても整流性は観測されなかった。 以上のように、水酸化物薄膜の電気的特性制御、電子デバイス応用を目指した実験はこれまでのところ進展はしていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Mg(OH)2への不純物添加については、より多種類の金属元素を試みる。また、添加量を増やすことで不純物バンドが形成され電気伝導が増すことを期待し、1~2割の濃度を目指して添加する。堆積法はドロップ蒸発法を中心にする。Niなどについては添加できることは確認されているので、添加量の制御と特性の変化について研究を進める。それ以外にGa、Al、Sn、Znなど、まだ添加を試していない元素も試みる。第一原理計算による予測を参考にしてきたが、計算は必ずしも正確とは限らないので、今年度はそれにこだわらずできるだけ多様な元素の添加を試みる。 GaOOHに対する不純物添加も試みる。ドロップ蒸発法での不純物添加は新しい試みであり、まず添加できるかどうかを確認する必要がある。不純物としては、第一原理計算で浅いアクセプタと予想されたMgを試みるが、他の元素も順次試みる。
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