Project/Area Number |
22K05303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
加古 哲也 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究センター, 主任研究員 (00399411)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | メタン / 光触媒 / エタン / カップリング反応 |
Outline of Research at the Start |
2種類以上の光触媒と光を利用したZ-スキーム機構を利用して、光触媒酸化反応により(天然ガスなどに多く含まれる)メタンからエタンを、光触媒還元反応により水素を製造する研究であり、最適な2種類の光触媒の組み合わせ、助触媒を探索する研究である。エタンはエチレンや塩ビの原材料の1つであるが、天然ガス中には微量しか含まれない分子であり、天然ガス中に多く含まれるメタンから製造できれば、greenな製造方法として有望であると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度において、様々な種類のナイトライド、特にカーボンナイトライドの合成に成功し、価電子帯、伝導帯のポテンシャルの大きく異なるものが合成方法の違いによって得られることがわかってきた。それらは当該反応において有望な光触媒材料であると考えられた。とても興味深い結果が得られたため、本年度はさらに深掘りして、焼成温度を極端に下げていくと、光吸収特性が劇的に変化した。また、フーリエ変換IR分析やラマン分光分析などの結果から、前年までとは異なる構造を持つ材料であることも明らかになった。一方、触媒材料の結晶性の低下傾向も見られたため、よりよい条件を見出し、結晶性の改善を図っていくことも必要であると思われる。結晶性を改善することで、表面などに生成する欠陥などを減少させることができ、電子とホールの再結合を抑制し、活性がより改善できる可能性がある。酸化タングステン系では活性の上昇が限られたが、問題点を再検証して再度取り組むつもりである。 また、CuO/TiO2光触媒反応においては、担持した銅が光修復され、構造がより最適化され、活性が従来の光触媒、熱触媒よりも大幅に向上することも今年度見出した。また、第一原理計算とin-situ UV-vis及びFT-IRの観察結果を複合的かつ系統的に解釈することで、紫外光照射による銅の修復(銅が酸化されていない状態)の構築が活性改善のキーであることも分かってきた。表面プラズモン共鳴を示す金属では紫外光のみならず、それ以外の可視光や赤外光を含めて考え、広範な波長領域を想定して、照射する波長をコントロールすることで、光修復の度合いや最適化具合も変化するものと期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに行ってきたカーボンナイトライドの合成をさらに進め、さらにタングステン系などの多種多様な材料の合成にも成功してきた。その結果、合成条件と光還元特性の関係がより明らかになり、光触媒特性および触媒特性が向上する条件がさらに明らかになってきた。他方、CuO/TiO2光触媒反応などの結果から、メタンからのエタン反応により劣化した活性金属を光触媒反応で修復することが速度論的にも可能であることが予想され、その光量比をコントロールすることで(例えば、紫外線と可視光線の量比)、活性が低迷することなく、向上していく指針も見出された。すべての反応でこの活性修復が有効に利用できるわけではないとは思われるが、修復が可能であることも念頭に置きつつ、さらなる材料の開発を行っていきたいと考えており、活性向上の手段も明らかになっており、順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
触媒および担体光触媒の最適化を図りたいと考えている。具体的には、担体光触媒には、2種類以上のものを利用することを検討しており、特に一方の金属酸化物側では単純金属酸化物から複合金属酸化物の利用(例えば、ZnOからCo-doped ZnOなど)を検討していこうと考えている。さらには、今年度の研究で、触媒金属の劣化を反応中で修復したりコントロールできることも分かってきたため、触媒金属の状況をFT-IRやUV-visなどでin situに測定しながらより劣化しないように光照射や温度条件などをコントロールすることで、更なる活性の向上に繋がるものと考えており、その点についてもできれば研究を行っていきたい。
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