Project/Area Number |
22K05445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
山本 紘輔 東京農業大学, 生命科学部, 准教授 (80803254)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アセチルコリン / アセチルコリン受容体 / 神経伝達物質 / アセチルコリンエステラーゼ / 植物 / 環境適応 |
Outline of Research at the Start |
動物神経伝達は、アセチルコリン (ACh)、アセチルコリン受容体 (AChR)およびACh分解酵素 (アセチルコリンエステラーゼ, AChE)の3者からなり、動物の筋収縮に関わる生命維持に必須である。申請者らは、作物からその関連酵素遺伝子, AChEを世界で初めて発見し、熱・重力応答制御に関与していることを報告した。AChは、既に多くの作物で発見されていることから、植物においてはAChEとAChの2者の存在が認められたことになる。そこで本研究では、動物神経伝達システムの構成要素の1つであるAChRに相当する植物AChR遺伝子 (仮称)の発見を目指すとともにその分子機能を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
RI標識したAChRリガンドである[125I]αブンガロトキシン([125I]αBgt)を用いて、リガンドに対して高い結合能を有する植物を選定した。結果として、レモンバーム根の細胞膜画分がリガンドに対して高い結合能を有していた。次に以下の方法で植物AChR様タンパク質の分離を試みた。
方法1: 光親和性標識[125I] αブンガロトキシン(αBgt)を上記細胞膜画分と反応させ、光架橋した。光架橋した試料を電気泳動することでRI標識リガンドが結合したAChR様タンパク質をゲル上で検出した。その結果、約60kDaにバンドが検出され、同様な工程をRI標識していないαBgtを使用して行い、電気泳動後に上記AChR様タンパク質が検出された分子量(約60kDa)と同位置のゲルを回収した。しかし、LC-MS/MSで分析後、Mascot検索サーバーから受容体様タンパク質をコードする遺伝子を検索した結果、受容体様タンパク質をコードする遺伝子が含まれていなかった。
方法2:レモンバーム根の細胞膜画分を界面活性剤で可溶化し、リガンド固定化アフィニティーカラムにより植物AChR候補タンパク質群を部分精製した。対照区としてリガンドが結合していないカラムにより試料を分離し、非特異吸着タンパク質群を得た。上記2試料を電気泳動に供試し、バンドパターンを比較することで、AChR候補タンパク質群に特異的なバンドを回収した。方法1と同様に、60kDa付近にAChR候補タンパク質群に特異的なバンドを検出することができた。しかし、LC-MS/MSで分析後、Mascot検索サーバーから受容体様タンパク質をコードする遺伝子を検索した結果、受容体様タンパク質をコードする遺伝子が含まれていなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記方法1,2より、AChR様タンパク質と考えられる分子量約60kDaのバンドをLC-MS/MSで分析したが、得られたデータには受容体様タンパク質を含んでおらず、期待通りに進んでいないため、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
以下、2つの推進方策を考えている。 ①上記の方法1,2については、ある程度方法が確立できたるため、実験材料をレモンバームから別の植物に変更する。現在までの結果から、ペパーミントやスペアミント由来の粗膜画分からもレモンバームの粗膜画分と同程度のαBgt結合活性が認められている。植物材料をレモンバームからペパーミントやスペアミント由来の粗膜画分に変更し、方法1,2を実施する。AChR様タンパク質と考えられるタンパク質バンドが得られた場合、LC-MS/MSで分析し、Mascot検索サーバーから受容体様タンパク質をコードする遺伝子を検索する。
②上記方法1,2より得たAChR様タンパク質と考えられる分子量約60kDaのバンドをLC-MS/MSで分析した結果、受容体様タンパク質を含んでいなかったが、検出されたタンパク質の中にαBgt結合活性を有するタンパク質が存在する可能も考えられる。検出されたタンパク質の遺伝子をアグロインフィルトレーション法によりベンザミアナタバコの葉で一過性発現させ、各遺伝子がコードするタンパク質が、αBgt結合活性を示すか否か検討する。
①②により、植物AChR候補遺伝子を同定した場合、各候補遺伝子を供試植物からクローニングし、N末端あるいはC末端に異なるエピトープタグが付与されるように動物発現用ベクターに連結する。その後、HEK293細胞に各植物AChR候補遺伝子群を形質転換させ、それらの細胞が組換えタンパク質を発現していることをウエスタンブロッティングで検証する。RI標識AChRリガンドに対する結合能を上述の組換えタンパク質発現細胞と非形質転換細胞で比較する。
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