Project/Area Number |
22K05623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
湯本 弘子 (清水弘子) 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (20370562)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | キク / 葉 / クロロフィル |
Outline of Research at the Start |
日本の花き産業上重要な品目であるキク切り花において、流通過程で葉が黄変することにより切り花の品質が著しく低下するという問題がある。これまでに、明条件に比べて暗黒下ではキク葉は容易に黄変すること、暗黒下での黄変には品種間差があることを明らかにした。流通過程では切り花は暗黒下に置かれることから、暗黒下で葉が黄変しにくいという性質は園芸上有用と考えられる。そこで、易黄変性品種と難黄変性品種を用いて、①クロロフィル分解関連代謝物および酵素量、②エチレン等の植物ホルモンに対する反応を比較することにより、難黄変性の要因を解明する。得られた成果は新たなキク葉黄変抑制技術や黄変性判別技術開発に活用できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では暗黒下で葉が黄変しやすいキク品種と黄変しにくいキク品種を用いて、暗黒下でのキク葉黄変の機構と黄変しにくいという性質(難黄変性)の要因を明らかにすることを目的としている。有色クロロフィル分解産物のHPLC分析については、Schelbert et al.(2009)およびZapata et al.(1987)の手法を用いるとキク葉に含まれるβカロテンとpheophytin aが分離できないことが判明した。そのため、Tanaka(2009)手法に切り替えて検量線を作成し、予備的にキクの葉のクロロフィルおよび有色クロロフィル分解物を分析し手法を確認した。植物ホルモン処理については、エスレル溶液を添加したシャーレに個葉を静置して高温条件(明暗または暗黒下)でSPAD値の測定を行った。エスレルを連続的に葉に与えると、光条件によらず著しく葉のSPAD値は低下し黄変が促進された。供試した易黄変性と難黄変性品種とも同じ傾向を示した。高温・連続暗黒処理前に低温期間を設ける実験系を新たに設けた。また、低温期間中にMA(modified atmosphere)環境を再現するため、酸素および二酸化炭素濃度の異なる圧縮空気および脱気ガス充填シーラーを新たに整備した。低温期間終了時において葉の黄変はみられなかったが、その後の高温・暗黒処理時の黄変時期は、低温処理期間中の環境条件により差があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キク8品種の葉を用いて高温・連続暗黒処理前に低温期間を設ける実験を実施した。低温期間の環境条件によって、その後の高温・暗黒処理時の黄変時期に差がみられた。また、低温期間を設けない区との差も認められた。これらのことから、低温期間中の環境条件によりキク葉内で生理的な変化が起きており、それが高温・暗黒処理時のクロロフィル分解に影響を及ぼしていることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、低温期間中の環境条件によりキク葉内で生理的な変化が起きており、それが高温・暗黒処理時のクロロフィル分解に影響を及ぼしていることが示唆された。今後は葉の内容成分(クロロフィル分解産物および糖類等)の分析を行う予定。
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