Project/Area Number |
22K05629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉岡 泰 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (60202397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 省吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90241489)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ゲノム編集 / 低温プラズマ / コチョウラン |
Outline of Research at the Start |
本研究は外来遺伝子のランゲノムへの組込みを伴わないゲノム編集技術の開発とそれを利用したランの育種を目指す。コチョウラン原種を材料として用い、低温プラズマ照射等を用いたラン細胞へのタンパク質核酸直接導入法、植物細胞内で遺伝子を一過的に高発現可能なベクターシステムを利用する。さらに、花や葉の形態、色などを司る遺伝子を標的としたゲノム編集を行い、新たな形質をもつコチョウランの育種を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ランの分子育種にかかる時間を短縮するために、外来遺伝子のゲノムへの組込みを伴わないコチョウラン原種(Phalaenopsis aphrodite)のゲノム編集技術を開発することである。本年度は、Cas9-GFPのタンパク質を精製するためのタンパク質発現用プラスミドを作成し、大腸菌を用いてCas9-GFPタンパク質の精製を行った。大腸菌でのCas9-GFPタンパク質発現誘導条件、細胞破砕方法、精製したCas9-GFPタンパク質の保存条件などを検討し、標的配列に2本鎖切断を導入する活性を持つCas9-GFPタンパク質を大量に精製できる方法を確立した。さらに、精製したCas9-GFPタンパク質とヘリウムガス低温プラズマを用いて、ランプロトコームおよび、シロイヌナズナ幼植物体へのCas9-GFPタンパク質導入実験を行い、ラン、シロイヌナズナいずれにおいてもCas9-GFPがプロトコーム細胞内に導入され、核局在することを確かめた。低温プラズマの照射方法として、植物体に直接低温プラズマを照射する方法とタンパク質溶液に浸した状態で溶液に対して低温プラズマを照射する方法とを比較した。その結果、Cas9-GFPの場合は植物体に直接低温プラズマを照射し、その直後にCas9-GPFタンパク質を添加する方法が適していた。また、低温プラズマを植物体に直接照射しても植物体の生育には影響はなかった。今年度得られた成果を発展させることによって、ゲノム編集に必要なタンパク質とRNAを植物細胞の直接導入し、外来遺伝子の組込みを伴わないゲノム編集が植物において可能となることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的配列DNAを2本鎖切断する活性を持ち、植物細胞内で核局在するCas9-GFPタンパク質の大腸菌での合成、精製条件を確立した。また、生成したCas9-GFPタンパク質は低温プラズマ照射によってランプロトコーム、および、シロイヌナズナ幼植物の細胞内に導入することができた。したがって、今年度までに低温プラズマ照射を用いてゲノム編集に必要なタンパク質とRNAをランの細胞に直接導入し、ゲノム編集頻度を測定する準備が整ったと考えられる。昨年度クローニングしたコチョウランの花成抑制遺伝子候補の解析については今年度特に進捗はなく、今後シロイヌナズナの変異体を利用して検証する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
低温プラズマ照射を利用したタンパク質・核酸直接導入によるゲノム編集方法の確立に研究の重点を置き、コチョウランにおいて低温プラズマによるCas9-GFP、sgRNA直接導入によって、ゲノム編集が可能であることを示す。さらに、コチョウラン以外の植物においても確立した手法によってゲノム編集が可能であるかを検討する。sgRNAは試験管内転写反応を用いて合成したものを用い、Cas9-GFPタンパク質は大腸菌で合成したものを精製して用いる。変異がホモ接合となった細胞の検出が容易であるPDS3遺伝子をゲノム編集の標的として用いる。また、研究を加速するためシロイヌナズナを用いて種々の実験条件検討を行い、確立した条件を用いてコチョウランのゲノム編集を行う。
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