Elucidation of the molecular mechanism of spermatogenesis avoiding meiosis in haploid males of Hymenoptera
Project/Area Number |
22K05684
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
畠山 正統 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長補佐 (50281142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 翔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (40773073)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 精子形成 / 減数分裂 / ハチ目昆虫 / トランスクリプトーム解析 / RNA-Seq / RNAi / 半数-倍数性 / 半数ー倍数体 / カブラハバチ |
Outline of Research at the Start |
有性生殖を行う動物では、配偶子形成時に染色体数を半減するために減数分裂を伴うことが不可欠である。しかしながら、ハチ目昆虫はそのグループ全体が基本的に半数-倍数性の単為生殖を行い、通常、未受精卵から半数体のオスを生じる。これらの半数体オスは、精子形成過程で減数分裂を行わずに半数体の精子をつくる。本研究では、ハチ目実験モデル種のカブラハバチを用い、遺伝子発現の比較解析、遺伝子の発現阻害等による機能解析、および遺伝子制御のネットワーク解析を組合わせて、半数体オスの精子形成過程での減数分裂制御様式の改変(減数分裂回避)に関わる遺伝子をつきとめ、その遺伝子制御ネットワークを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ハチ目昆虫は通常、受精卵からは二倍体のメス、未受精卵からは半数体のオスを生じる。半数体オスでは、精子形成過程の成熟分裂に減数分裂を伴わず、半数体の精子をつくる。オスに特異的な減数分裂制御のメカニズムを探究するために、これまでに精巣でのみ発現する19遺伝子を同定し、ハチ目昆虫のみに存在し、機能が明らかになっていない遺伝子(TS0483)のRNAiによる機能解析の結果から、この遺伝子は精子形成への関与は示唆されたものの、減数分裂の回避に決定的な役割を果たすものではないと推測された。 そこで、減数分裂が進行する初期の蛹に加え、それ以前の発育段階の精巣からRNAを抽出し、複数のサンプルを用いてトランスクリプトーム解析を行い、解析対象となる遺伝子候補を再探索した。その結果、精巣のみで発現している103遺伝子を得た。そのうちの7遺伝子は、これまでに全ゲノム情報がわかっている昆虫のうち、ハチ目昆虫にしか存在していない。また、2遺伝子はそれぞれ、ハチ目昆虫とアミメカゲロウ目のヤマトクサカゲロウ(Chrysoperla carnea)、ハチ目昆虫とコウチュウ目のツノグロモンシデムシ(Nicrophorus vespilloides)にのみ存在が認められた。ハチ目昆虫に特異的な6遺伝子とハチ目昆虫とツノグロモンシデムシに存在する遺伝子は、精巣で成熟分裂が進行する蛹初期に発現ピークがあり、ハチ目昆虫とヤマトクサカゲロウに存在する遺伝子は前蛹期から蛹初期に同等量の発現がみられた。いずれの遺伝子も成熟分裂進行前の終齢幼虫の精巣で発現はみられるものの、蛹初期の精巣での発現量と比較すると100分の1以下である。これらの遺伝子について二本鎖RNA(dsRNA)を終齢幼虫に注入し、遺伝子ノックダウンにより機能解析を行なったが、今のところ成熟分裂および精子形成に影響を及ぼす表現型は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
比較トランスクリプトーム解析により複数の候補遺伝子を同定したが、遺伝子ノックダウンを用いた機能解析では、いまのところ精子形成や妊性に影響を及ばす明確な表現型が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子ノックダウンの標的とする配列を変更するなどして機能解析を継続し、精子形成過程に影響を及ぼす候補転写産物については、発現阻害した精巣と正常な精巣での比較トランスクリプトーム解析を行い、上流調節因子や下流因子を探索する。候補因子についての機能予測、発現様式の確認、RNAi 発現阻害による精子形成への影響を調べる。また、遺伝子間の詳細な相互作用を示したネットワークデータなどを活用し、in silico の解析からこれらの因子の制御ネットワークを調べる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)