Project/Area Number |
22K05789
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
千葉 晋 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (00385501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 健児 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 室長 (40380290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 水産増殖 / 個体群管理 / 性比 / 繁殖成功 / タラバエビ / アマモ場 / 資源管理 / 生活史 / アリー効果 |
Outline of Research at the Start |
資源管理は基本的には個体数の管理であるが、本研究ではそこに繁殖確率の「ゆらぎ」を取り入れることを提案する。繁殖期の雌雄は必ずしも繁殖だけを目的に行動しているわけではなく、我々がこれまで想定してきた以上に繁殖期の生態や生理には雌雄差があり、この差は繁殖確率を変化させ、最終的に再生産効率に大きな影響を及ぼすと予想する。これが事実なら、資源動態の予測に繁殖確率を定数ではなく変数として取り入れることで予測精度は向上するだろう。また、雌雄の往来を促進するような人為的な増殖策も有効かもしれない。この考え方は、取り扱う種や空間スケールに関わらず、繁殖期の生態・生理に雌雄差のある様々な水産動物に適用できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、資源の低密度化をきっかけとして雌雄の遭遇機会や繁殖タイミングが再生産効率に強く影響することを証明し、繁殖確率の変化に着眼した資源管理策と人為的な介助による増殖策を提示することである。本研究では、ホッカイエビ(商品名は北海しまえび)を対象とし、資源減少時におこる繁殖確率の低下を明らかにするために、(I)環境の異質性と雌雄の遭遇確率の推定、(II)繁殖ミスマッチの検証、さらに(III)長期的な野外データ解析での検証を行なう。その後、これらの結果を元にして(IV)資源回復策の提示、すなわち繁殖確率を取り入れた資源管理策と、人為的な介助によって繁殖確率を高める増殖策を具体的に示す。 2023年度は(I)~(III)の項目の一部を実施し、概ね当初計画通りに進行した。項目(I)については、2年目に予定していた調査等を全て実施した。野外調査では、前年度に確定した調査定点で曳き網調査を行うことでホッカイエビの密度を継続して調べた。また、前年度に着手した標識装着にしては前年度に発覚した問題点を改善し、野外で実施したが、想定した量のデータが得られなかったため、3年目の課題として残った。項目(II)については、本年度は野外調査で得られた標本から抱卵雌の卵に対して父系解析を実施し、野外における繁殖時の雌雄の遭遇頻度の低さを推察できるに至った。項目(III)については、前年度に整理した30年間の長期データをもとにして解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの経験に基づいて計画および実行しているため、一部の実験計画において遅れはあるものの概ね計画通りに進行しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の最終年度に向けて継続モニタリンデータの取得と、想定していなかった問題点の改善を行ったうえで、とりまとめを行う。研究実績の概要に記した項目(I)の野外調査のデータ取得についてはモニタリングであるため、最終年度も同様に実施する。また、本項目のうち前年度から課題として残っている標識方法については引き続き改善努力をする一方で、標識に頼らない手法(水中での録画撮影等)も検討して研究計画に支障が出ないように対応する。項目(II)の操作実験については、データの取得はすべて終了したためとりまとめを行う。項目(III)の長期データ解析については、統計解析を実施する。これらの結果を踏まえて最終目標である項目(IV)の資源回復策の提示を行う。
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