Project/Area Number |
22K05904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
嶋津 光鑑 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40391396)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 局所CO2施用 / CO2収支法 / 水蒸気収支法 / 換気率 / 茎流センサ / 葉温 / 機械学習 / 拡散コンダクタンス / 施設園芸 / CO2施用 / 純光合成速度 |
Outline of Research at the Start |
日射の多い時間帯のCO2施用は効果的だが,日光合成量を高めると同時に供給CO2ガスの無駄を減らすには,換気率,CO2供給量の調節,施設内植物群落の純光合成速度の正確な計測制御が重要である。 本研究では,CO2施用する自然換気温室で栽培する植物個体群の純光合成速度の連続モニタリングの精度を向上させるとともに,その実測値を用いて環境データから光合成速度を推定するモデルの精度を高める。
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Outline of Annual Research Achievements |
晴天日中の条件において,温室内外の濃度差がゼロとなるCO2ガス制御により,拡散によって供給ガスが流出しないようにした上で,無施用のときよりも日積算光合成量を高める「局所CO2施用」に取り組んでいる。この方式の経済的な実施は,CO2ガスを適正に供給するためにリアルタイム純光合成速度測定法の確立が重要である。CO2収支法を用いる場合,パラメーターとして換気率が含まれるが,その算定法は,自然換気温室に適用する場合,日射量が頻繁に変動する条件でも水蒸気収支法の方が熱収支法よりも精度がよい。 初年度は,水蒸気収支法により算定する換気率の精度を向上するために,試験温室の栽培環境制御システムを全面改良した。具体的には,①日射量や飽差に比例した給液制御と計測が可能なロックウール栽培装置の導入,②換気窓の開閉,ダクト式パッドアンドファンとCO2施肥を連携させた制御,などである。現在の蒸散量測定は,トマト個体の株元の茎部に設置した茎流センサの値を利用しているが,連続計測に問題も多いので,葉群の葉温,室内空気の水蒸気圧を基準とした飽差,個体群内の拡散コンダクタンスから微気象学的に蒸発散量を求められるように,この飽差と茎流センサで求めた蒸発散量の関係を実測した。さらに,CO2収支法で求めた純光合成速度を教師データとした機械学習による純光合成速度の推定モデルを作成した。 研究2年目は,個体群内の拡散コンダクタンスを風速から算定できるように,個体群内に無指向性の熱線風速計を設置して,蒸散量と飽差から推定した拡散コンダクタンスと個体群内風速の関係を調査した。本年は試験期間が側窓を閉鎖する冬季だったこともあり,明確な関係は明らかにできなかった。一方,日射量が急に増加するときの飽差の時間変化速度を調査し,春先の急な日射量の変化は気孔開度を小さくする可能性を観測し,拡散コンダクタンスへの影響を示唆できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の2年目にある程度個体群内風速と拡散コンダクタンスの関係を明らかにする予定であったが,温室の高温期の蒸発冷房装置の製作が遅れたうえに,予期せぬ停電トラブルでトマト個体群が萎れてしまい,十分な測定期間を確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
拡散コンダクタンスは気孔コンダクタンスと境界層コンダクタンスの両方が関与する。本システムは水ストレスを生じさせないで気孔コンダクタンスはあまり変化しないように栽培管理することを前提としている。この環境調節と測定器の整備は完了しているので,栽培植物を用いて測定データをたくさん収集する。 ①葉温を基準とした飽差と,個体群内の風速を関数とした拡散コンダクタンスから蒸散量を算定し,これを利用した水蒸気収支法により換気率を推定する試験を実施し,その有効性を茎流センサで測定した蒸散量の値と比較検証する。 ②この換気率を用いたCO2収支法により個体群の純光合成速度を推定し,LI-6800で求めた値を比較してその有効性を検証する。
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