Project/Area Number |
22K06108
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
|
Research Institution | Comprehensive Research Organization for Science and Society (2023) Ibaraki University (2022) |
Principal Investigator |
日下 勝弘 一般財団法人総合科学研究機構, 中性子科学センター, 副主任研究員 (10414591)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 武司 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (50524162)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 中性子構造解析 / SIRT5 / Sirtuin5 / プロトン移動 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、DNA修復や細胞分化などに関わる重要なタンパク質であるSirtuin5のヒストンのスクシニル化リシンを脱スクシニル化する酵素反応の詳細を明らかにするものである。水素やプロトンを観測することができる中性子結晶構造解析によってタンパク質の水素を含む立体構造(=全原子の位置)を決定し、脱スクシニル化反応におけるプロトン引き抜きを行うアミノ酸とプロトンの移動経路を特定し、Sirtuin5の触媒反応メカニズムの完全解明に迫る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
SIRT5とスクシニル化リシンscuprx1(配列:SKEYFS{Lys(suc)}Q K)の複合体の中性子結晶構造解析解析を行うことを目的として、野生型SIRT5について、遺伝子組み換え大腸菌による発現、大腸菌破砕によるタンパク質の抽出および精製を行ない、大型結晶育成のための結晶化条件検索や実際の大型結晶に用いるのに十分なタンパク質を得ることに成功した。得られたタンパク質SIRT5 と昨年度作成したスクシニル化リシンを用いて、複合体結晶の大型結晶育成の条件検討を行った。これらの複合体結晶はポリエチレングリコール3350(PEG3350)を結晶化剤として結晶が得られることがわかっているため、これを結晶化剤として用件の最適化を進めた。結晶化には今後の大型結晶化を考慮して、蒸気拡散法(シッティングドロップ法)を用いて行った。PEG3350を結晶化剤として、0.1M Tris-HClを緩衝剤として結晶化を試み、PEG3350が20~30%において結晶が得られることがわかった。ただし、現状のタンパク質溶液では通常の蒸気拡散法では最初の結晶核形成が難しいため、結晶を細かく砕いた溶液を希釈して結晶化ドロップに加えるミクロシーディグ法により結晶を育成する必要があることがわかった。現状では大型結晶育成の素条件を得ることができており、長辺1mmを超える結晶の育成の成功に成功した。中性子回折データ精度向上法開発については、波長依存性の対して適切に補正する新たな方法を開発することを目的として、既存のデータにおける波長に対する系統的な補正の必要性等の検討を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度の時点で中性子構造解析用のタンパク質大量精製および大型結晶育成の条件検討を進めることができなかった。また、2023年度については主担当である研究代表者が2022年度に所属の機関の都合により、現在の所属機関に移ることとなり、実験遂行環境の一部再構築が必要となったため、大型結晶育成の条件検討を進めることはできたが、実際の大型結晶育成と中性子回折実験にまでは至ることがっできなかった。中性子回折データ精度向上法開発についても同じ理由により十分な検討時間を取ることができず、当初予定していた内容まで進めることはできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022、2023年度については、所属の実験遂行環境の不備や、異動における実験環境再構築により実験遂行の遅延が余儀なくされたので、2024年度は以下について強力に推進する。 2023年度中に研究代表者の所属変更に伴う実験環境の再構築を行うことができ、大型結晶育成の素条件のけんとうまですすめることができたので、2024年度は大型結晶育成および中性子回折データ測定を円滑に進めることができると考えている。SIRT5-スクシニルリシン複合体の大型結晶化を早急に実施し、1mm3以上の結晶の育成を実現する。また、中性子回折データ測定については、J-PARC物質生命科学実験施設に設置のiBIXで中性子回折データを常温で測定する。2024年度後半のビームタイムを想定して、テスト測定可能な大型結晶が育成できた時点で、テスト測定を行い、2024年度中に中性子構造解析用のデータを収集する。また、中性子回折測定と同じ試料を用いて、中性子回折データとの相補的解析に利用するため、KEK, PF等の放射光を用いてX線回折データセットの測定も実施する。中性子回折データ精度向上法開発については、これまでに測定したデータをベースとして波長依存性に対する適切な補正方法を確立する。
|