全長型アニオンチャネルロドプシンのイオン輸送機能:C末端ドメインの役割について
Project/Area Number |
22K06120
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
出村 誠 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (70188704)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 卓 北海道大学, 先端生命科学研究院, 助教 (30744271)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | ロドプシン / イオンチャネル / イオン選択性 / リン酸化 / 天然変性 / 相互作用 / 中間体 / 遺伝子組み換え発現 / 全長 / イオン輸送 / キネティクス / 膜タンパク質 / 光反応 |
Outline of Research at the Start |
光で活性化してアニオンを受動輸送するアニオンチャネルロドプシン(ACR)は、膜貫通ドメインのうしろに長いC末端ドメインをもつ。しかし、これまでの研究でC末端ドメインは切除されてきたため、機能的役割はわかっていない。これを解明するために、我々は世界初の全長型ACRの発現系を構築した。さらに、全長型ACRではアニオン選択性が変化し、C末端ドメインと膜貫通ドメインの間の相互作用が示唆された。そこで本研究では、①両ドメイン間の相互作用を確かめる、②変異体を用いて相互作用部位を特定する、③アニオン選択性と相互作用の関連性を明らかにする。本研究は、天然状態のACRの姿を明らかにする世界で唯一の研究である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
アニオンチャネルロドプシン(ACR)は、光で活性化してアニオンを輸送するイオンチャネルである。本研究は、我々が世界で初めて発現に成功した全長型ACRについて、これまで見過ごされてきた細胞内ドメインの機能的役割を中心に、天然状態のACRの分子機能を明らかにする研究である。 2023年度は、世界初の全長型ACRの発現に成功したこと、全長型ACRが硝酸イオンを選択的に輸送すること、その選択性に細胞内ドメインが大きく貢献していることを分子レベルで明らかにした成果を論文として発表した。 本論文を発展させて、細胞内ドメインがあることによって、硝酸イオンに対する選択性がどれくらい向上するのかを解析する研究が進行している。また、本論文で示唆された細胞内ドメインのリン酸化修飾を実験によって確かめた。さらに、リン酸化の有無により、アニオン輸送反応(フォトサイクル)が顕著に変化することを発見した。このことから、細胞内ドメインと膜貫通ドメインの間の相互作用に、細胞内ドメインのリン酸化修飾が関与する可能性が示唆された。リン酸化修飾を受ける領域を絞り込むことを目的に、細胞内ドメインを短く切断した変異体を用いた研究が進行している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
重要な研究成果について論文発表をできたこと、その成果を発展させて、全長型ACRの新たな機能的役割が明らかになりつつあることから、予定していた研究計画・研究内容以上に、研究が進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、前年度までに明らかになった成果をさらに推し進め、細胞内ドメインのリン酸化修飾の機能的役割、および細胞内ドメインによるイオン選択性の定量的な解析を実施する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)