Project/Area Number |
22K06140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊野部 智由 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (50568855)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | プロテアソーム / Unstructured領域 / ユビキチン / 細胞内タンパク質分解 / 翻訳後修飾 / リン酸化 / ユビキチン-プロテアソーム系 |
Outline of Research at the Start |
「プロテアソームによる蛋白質分解は非ユビキチン翻訳後修飾により制御される」という仮説の、分子機構に立脚した証明を、生化学・生物物理学的手法を用いて行う[課題1]。次に、バイオインフォマティクス的手法を用いて、修飾により分解制御される細胞内蛋白質を探し出し、その分解制御の生物学的な役割を分子生物学的手法で明らかにする[課題2]。さらに、医薬への応用を見据えて、人工的な修飾制御による分解制御を可能にする、ケミカルバイオロジー技術の開発に取り組む[課題3]
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Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン-プロテアソームシステム(UPS)によるタンパク質分解の制御は、ユビキチン化システムだけにより行われると考えられてきたが、近年、標的タンパク質自身の物理化学的特性もプロテアソームによる分解に大きな影響を与えることがわかってきた。我々はユビキチン化修飾以外の翻訳後修飾もプロテアソームによるタンパク質分解を制御できるのではないかと考えた。 まずはリン酸化をうけるモデル基質タンパク質を用いてこの仮説の検証を行った。in vitroの精製タンパク質系でこのモデルタンパク質のプロテアソームによる分解を調べたところ、リン酸化により分解が阻害されることを確認した。酵母細胞内においてもリン酸化による分解阻害を示唆する結果が得られた。しかしながら、このモデルタンパク質にリン酸化疑似電荷置換を施したところ、逆に分解が促進された。このことからプロテアソームによるタンパク質分解はリン酸化により制御される可能性が示されたが、その制御メカニズムは単純なリン酸基による電荷変化だけでは説明できないことが示唆された。 また人工的なタンパク質修飾により分解を制御できるか検討した。まずはSpyCatcher-SpyTagシステムを用いて、培養細胞内においてSpyCatcherモデル標的タンパク質に対してSpyTag分解誘導性ペプチドを付加修飾させたところ、このモデルタンパク質はUPSにより分解されるようになった。このことから人工的なタンパク質分解制御において、標的タンパク質の修飾の制御は有効な手段であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
修飾による分解制御の生物学的意義の解明を目指す課題に遅延がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.「修飾による分解制御」の証明 酵母細胞中においてリン酸化により分解の制御のメカニズム解明を試みる。モデルタンパク質のリン酸化を担うキナーゼの活性制御システムを用いて、キナーゼ活性と分解の相関を明らかにする。またリン酸化部位への相互作用分子の有無も検討し、リン酸化による分解制御メカニズムを解き明かす。 2. 修飾による分解制御の生物学的意義の解明 リン酸化により分解制御されている可能性が高いTau蛋白質やTDP43などの疾患原因蛋白質について、細胞内でリン酸化により分解が制御されるかを調べる。また修飾により分解制御される蛋白質のバイオインフォマティクス検索を行い、それらが修飾により分解制御されるか調べる。 3. 人工的修飾制御による分解制御方法の開発 分解誘導性修飾ペプチドに更に膜透過性を付与し、細胞外から分解制御をできるようにする。また標的タンパク質特異的なリガンドを用いて分解誘導性ペプチドを付加し細胞内の特定のタンパク質の人工的分解誘導を試みる。
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