Uncovering the role of miRNAs in unicellular organisms through the green alga Chlamydomonas
Project/Area Number |
22K06268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山崎 朋人 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (70512060)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | microRNA / クラミドモナス / 次世代シークエンサー / 遺伝子発現制御 |
Outline of Research at the Start |
マイクロRNA(miRNA)が遺伝子発現を制御する仕組みは、始原真核生物で成立し、進化の過程で様々な生命現象を制御する役割を獲得してきた。では「始原のmiRNAにはどんな役割があったのか?」、その謎の解明に迫るヒントは、単細胞生物にあると考える。しかし、単細胞生物では、miRNAがどの遺伝子の発現を抑制し、その結果、どのような生命現象を制御するか明らかでない。本研究では、単細胞の緑藻クラミドモナスを用いてmiRNAの標的遺伝子を同定し、その遺伝子の機能からmiRNAが制御する生命現象を解明する。これは、緑藻クラミドモナスをモデルにして「単細胞生物のmiRNAがもつ役割はなにか?」という未踏の問いに答えるための研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNA(miRNA)が遺伝子発現を制御する仕組みは始原真核生物で成立し、進化の過程で様々な生命現象を制御する役割を獲得してきた。多細胞モデル動植物ではmiRNAの具体的な役割がいくつか明らかになっているが、単細胞生物におけるそれは明らかでない。本研究では、単細胞緑藻クラミドモナスをモデルにmiRNAの標的遺伝子を同定し、その遺伝子の機能からmiRNAが制御する生命現象の解明に着手した。 クラミドモナスのmiRNAが持つ役割の解明に関連して、本研究ではこれまでに以下の実績を上げた。 ① miRNAと複合体を形成するエフェクタータンパク質アルゴノート3(AGO3)のnon-RI CLIP-seq (Cross-Linking Immunoprecipitation sequencing)法により、クラミドモナスmiRNAの標的遺伝子を同定した。さらにmiRNAの機能しない変異体を用いてmRNAレベル、タンパク質レベルの比較解析を行い、miRNAによる発現制御が認められる遺伝子であることを証明した(論文投稿準備中)。 ② AGO3遺伝子変異体の表現型解析から、クラミドモナスmiRNAが青色光受容体フォトトロピンの発現を制御していることを明らかにした(Yamasaki et al. PNAS 2023)。クラミドモナスは光合成をするが、光が強すぎると光合成装置がダメージを受ける。そのためクラミドモナスは青色光シグナルによって光合成装置を守る仕組み(光エネルギーを捨てるしくみ)をはたらかせており、そのはたらきの強さは青色光の強度に依存する。一方で光が弱いときはその仕組みが発動しないようにする必要があるため、光が弱いときにmiRNAがフォトトロピンの発現を抑制して青色光シグナルの強度を絞り、光を捨てるしくみの発動を抑えていることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の通りAGO3タンパク質のnon-RI CLIP-seq解析を行って多数のmiRNA標的遺伝子候補の検出に成功した。これらの候補にはとりわけ光合成に関わる遺伝子が多く含まれて多り、いくつかの遺伝子について詳細に解析を進め、確かにmiRNAによって発現が抑制されていることを確認した。さらに発現制御が確かめられた遺伝子の中にpetA遺伝子があった。これはシトクロムb6f複合体サブユニットタンパクをコードする遺伝子で、驚くべきことに葉緑体ゲノムにコードされる遺伝子である。一般にmiRNAは核ゲノムにコードされる遺伝子のmRNAに作用するが、クラミドモナスmiRNAは葉緑体ゲノムにコードされる遺伝子の発現制御に関わる可能性が見いだされた。 また、miRNAの機能しない変異体の表現型を丹念に解析し、miRNAが青色光受容体フォトトロピンの発現を光強度依存的に制御していることを解明し、論文として報告した。クラミドモナスにおいては青色光依存的に光合成装置を守る光防御機構が発動するが、この発動の程度をmiRNAが間接的に制御することを解明できた。 以上の様にクラミドモナス特有のmiRNA機能を発見しており、単細胞生物のmiRNAがもつ役割の解明という観点からみて、本研究が順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
non-RI CLIP-seqの手法と、この手法によって発見したmiRNAの標的遺伝子の解析結果をまとめて学術誌に投稿する(投稿原稿準備中)。 また、内在AGO3遺伝子にFLAGエピトープタグ配列をノックインした株を使い、引き続き同調培養細胞を用いたnon-RI CLIP-seqを行い、細胞周期特異的、環境特異的に作用するmiRNAとその標的遺伝子の同定を行っていく。これにより、単細胞生物であるクラミドモナスがもつmiRNAの役割について、残りの研究期間でさらに多くの発見を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Small RNA-mediated silencing of phototropin suppresses the induction of photoprotection in the green alga Chlamydomonas reinhardtii2023
Author(s)
Yamasaki, T., Tokutsu, R., Sawa, H., Razali, N.N.B., Hayashi, M., Minagawa, J.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.
Volume: 120
Issue: 18
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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