Project/Area Number |
22K06382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
植竹 淳 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (40455473)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | バイオエアロゾル / 森林生態系 / 環境DNA / 菌類 / バクテリア / フェノロジー |
Outline of Research at the Start |
空気中を浮遊する生物粒子(バイオエアロゾル)は、気象要因と関連して非常に動的に拡散し、我々の健康や生態系に大きな影響を与える。それにも関わらず、季節変化に富み、バイオエアロゾルの変化も大きいと思われる落葉広葉樹林での長期的な観測・研究はこれまで行われてこなかった。 そこで季節変化やそれに応じた動植物の変化がバイオエアロゾルにどのように反映されるのかを連続的に評価するため、北海道大学、苫小牧研究林でバイオエアロゾルの採取と遺伝子解析・顕微鏡観察を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
空気中を浮遊する生物粒子(バイオエアロゾル)は、気象要因と密接に関連して非常に動的に拡散し、私たちの健康や生態系に大きな影響を与えている。しかし、これまで季節変化が豊かであり、バイオエアロゾルの変動も大きいと考えられる落葉広葉樹林における長期的な観測や研究は行われてこなかった。本研究では、次の2つの仮説を検証するために研究を行った:1)季節変化やそれに応じた周辺の動植物の変化がバイオエアロゾルにどのように反映されるか、および2)森林内のバイオエアロゾルは森林内部だけでなく外部からの影響も受けているかどうか。
2023年度は北海道大学苫小牧研究林で7日間にわたるバイオエアロゾルの捕集を2022年4月から2023年5月まで実施し、合計で54サンプルを採取した。これらからDNAの抽出し3領域(16S rRNA遺伝子、18S rRNA遺伝子、内部転写スペーサ領域)の遺伝子シーケンシングを行った。その結果、菌類、特に担子菌の18S rRNA遺伝子、内部転写スペーサ領域の季節変動が明瞭に現れたことから、菌類のフェノロジーを本研究手法で検出できることがわかった。また積雪に覆われたタイミングと完全に一致して、菌類の種組成に変化が生じていたことから、積雪により近隣から飛散する菌類の飛散が抑制されていることがわかった。一方でバクテリアの16S rRNA遺伝子の季節変動は、積雪期にも変動が少なく、多くのバクテリアが積雪の影響を受けない遠くの地域から飛来してきていると推察された。
また本結果は、2023年12月に開催された第6回環境DNA学会九州大会において、「Seasonal variation of bioaerosols in a deciduous forest in Hokkaido: 北海道の落葉樹林におけるバイオエアロゾルの季節変動」というタイトルでポスターで発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定されていたサンプリングと分析を実施し、研究目標としていた季節変動と長距離輸送に関する結果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、得られている結果の詳細を解析し、国際誌に投稿する予定である。
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