Project/Area Number |
22K06413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45050:Physical anthropology-related
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Research Institution | University of the Ryukyus (2023) Kyoto University (2022) |
Principal Investigator |
松平 一成 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60813441)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 交雑 / 遺伝子浸透 / マカク |
Outline of Research at the Start |
ゲノム解析が進み、霊長類の進化において、種間の交雑と遺伝子浸透が、重要な役割を果たしてきたことが、明らかとなってきている。本研究では、霊長類の中でも、様々な環境に適応放散しているマカク属を対象として、トクモンキー種群の種のいずれかから、過去に交雑による遺伝子浸透があったことがわかっているビルマカニクイザルのゲノムの進化に焦点を当て、どの種と交雑して、どのような遺伝子領域について遺伝子浸透を受けたのか、遺伝子浸透が表現型の進化に関係があったか否かを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
多様な霊長類の種分化の多くは、地理的隔離による異所的種分化によって生じたと考えられている。マカク属は、熱帯から温帯までの様々な生態学的ニッチに適応放散している点で、興味深い。また、複数種の分布域が重なり、異なる環境を利用している。そのため、種分化の過程で周辺種分化や側所的種分化のメカニズムも働いたと考えられる。加えて、生殖隔離が完全には成立しておらず、種間交雑によって種が生じたと考えられる事例も報告されている。 本研究では、マカク属の種分化、多様化に交雑が与えた影響の事例として、マカク属の7つの種群の内、カニクイザル種群に属するビルマカニクイザルが、別の種群であるトクモンキー種群のどの種と交雑し、どのような遺伝的変異について遺伝子浸透を受けたのか、そして遺伝子浸透が形質にどのような影響を与えたのかを明らかにする。令和4年度にトクモンキーとボンネットモンキーについて、全ゲノムシーケンシングを実施し、高深度のゲノム配列を得た。これらの全ゲノムデータと、公共データベースで公開されているマカク属各種の全ゲノムデータを合わせて解析を行い、トクモンキー種群の中でも、トクモンキーとボンネットモンキーが非常に近縁であることが示された。令和5年度には、ビルマカニクイザルへの遺伝子浸透について、トクモンキー種群の中でも小型の種(トクモンキーとボンネットモンキーまたはその絶滅近縁種)から遺伝子浸透が起きたという仮説を支持する結果が得られた。その一方で、ビルマカニクイザルのゲノムの内、トクモンキー種群からの遺伝子浸透に由来する領域の割合は大きくなく、また両者の間の遺伝的交流が今も続いているという証拠は得られなかった。現在、交雑と遺伝子浸透が起きた時期と、遺伝子浸透の影響を受けた遺伝子の詳細について解明することを目的にデータ解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度上半期に遺伝子浸透についてのデータ解析を実施し、結果をまとめたが、下半期には大学で担当する実習・演習とその準備など、教育へのエフォートが増加し、研究へのエフォートが低下、追加で必要なデータ解析の実施が滞ってしまった。そのため、想定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
マカク属の進化は、様々なグループによって研究されており、多くの論文が発表されている。本研究についても、それらにならい、また後れをとることなく、成果を発表する必要がある。令和6年上半期に、追加のデータ解析を実施し、これまでの結果と合わせて、投稿論文とする。また、その成果について、下半期に学会などでの報告を行う。
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