Project/Area Number |
22K06608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鈴木 陽子 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (70448182)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肺神経内分泌細胞 / エンドセリン / 慢性閉塞性肺疾患 |
Outline of Research at the Start |
エンドセリン-2(ET-2)の生理学的・病態生理学的役割は不詳である。ET-2遺伝子欠損マウスは出生後に肺の形成不全をきたすため、研究代表者は肺に着目して予備的実験を進め、成体でET-2と肺神経内分泌細胞(Pulmonary Neuroendocrine Cells; PNEC)の関係を示唆する結果を得た。そこで、「PNECが外環境の酸素濃度を感知してET-2を介して肺胞の恒常性維持に重要な役割を果たしており、その破綻が慢性閉塞性肺疾患の病態を形成する」という仮説を構築した。本研究では、遺伝子改変マウスやシングルセルRNAシークエンス解析等を用いて、この仮説を検証することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
エンドセリン(Endothelin:ET)にはET-1,ET-2,ET-3の3種類があり、多彩な生理活性を示す。このうちET-1やET-3はすでに関連疾患が明らかにされ、遺伝子改変マウスや受容体拮抗薬を用いた研究により重要な機能の解明が進んでいるが、ET-2の生理学的・病態生理学的な解明は未だ不祥な点が多い。ET-2遺伝子欠損マウスは出生後に肺の形成不全をきたすため、申請者は肺に着目して予備的実験を進め、成体でET-2と肺神経内分泌細胞(Pulmonary Neuroendocrine Cells; PNEC)の関係を示唆する結果を得た。そこで、「PNECが外環境の酸素濃度を感知してET-2を介して肺胞の恒常性維持に重要な役割を果たしており、その破綻が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態を形成する」という仮説を構築し、研究の計画・遂行を行なった。 当該年度は、前年度に作出したPNEC特異的ET-2遺伝子欠損マウスを用いてエラスターゼ投与によるCOPDモデルマウスの作製・解析に取り組んだ。PNEC特異的ET-2遺伝子欠損マウスをタモキシフェン処理後8週目にマウス用プレチスモグラフィを用いて呼吸機能をモニタリングし、その後にマウスを屠殺して肺を摘出後、肺胞構造並びに肺血管についてHE染色および免疫組織学的手法を用いてCOPDに特徴的な所見について組織学的に検討した。対照群としてET-2flox/floxマウスを用いて使用した。これらの実験において両群でCOPDに類似した表現型を再現できたが、両群の間でCOPDの表現型に有意な差を得ることはできなかった。 上記と並行して、肺高血圧症モデルを用いた検討も着手した。予備的研究ではPNEC特異的ET-2遺伝子欠損マウスは対照群に比較して血行動態や組織学的変化が増悪している傾向が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した研究は遅れているが順調に進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
COPDモデルに関しては両群間で有意な差は認められなかったが、一定の傾向は観察されたため、条件を変更して詳細に検討する。具体的には、エラスターゼの投与週齢、投与後の観察のタイミングなど条件を変更した複数の組み合わせで検討し、最終的な結論を得る。 同時に、研究計画を一部変更して、肺高血圧症モデルについてさらなる解析を進める。具体的にはPNEC特異的ET-2遺伝子欠損マウスと対照マウスを10%酸素の低酸素状態で3週間飼育し、心エコーおよび心臓カテーテルを利用して血行動態を測定する。屠殺後に摘出した心と肺を組織学的に検討し、肺高血圧症の表現型について評価する。
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