Project/Area Number |
22K06633
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
|
Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
堀江 俊治 城西国際大学, 薬学部, 教授 (50209285)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | PAR2 / 非びらん性胃食道逆流症 / 潰瘍性大腸炎寛解期過敏性腸症候群 / 内臓痛覚過敏 / 一次求心性知覚神経 / 粘膜型マスト細胞 / TRPM8 / TRPV1 / 温度感受性TRPチャネル / 炎症後過敏性腸症候群 / 内臓知覚過敏 / マスト細胞 / 好酸球 |
Outline of Research at the Start |
申請者は「炎症性腸疾患モデル動物の結腸粘膜における知覚過敏性には、熱感を感受するTRPV1チャネル発現神経線維の数の増大が関与している」ことを明らかにした。 当該研究では、機能性消化管疾患である過敏性腸症候群および非びらん性胃食道逆流症のモデル動物を作製し、その消化管組織において、TRPV1チャネルおよびTRPM8チャネル発現神経の数が増加しているか、その増加に関連して知覚過敏反応が亢進しているかどうかを明らかにしていく。さらに、その知覚過敏にマスト細胞や好酸球の関与を検討する。この研究成果によって、微細炎症を抑える薬物は機能性消化管疾患の知覚過敏を改善するという新たな治療法を提案できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
潰瘍性大腸炎寛解期過敏性腸症候群モデルマウスおよび非びらん性胃食道逆流症モデルラットの機能性消化管障害病態モデルにおいてTRPV1発現一次知覚神経の変化と免疫細胞の腸粘膜への動員について薬理学的および免疫組織化学的に検討し、以下の結果を得た。 (1)潰瘍性大腸炎寛解期過敏性腸症候群モデルマウスおよび非びらん性胃食道逆流症モデルの作製し、これらのモデルがヒトの病態と類似しているかに関して病態生理学的に検証した。 (2)これらの炎症後機能性消化管機能障害病態モデルから消化管組織を部位別に摘出して凍結切片を作製し、マクロファージ、好中球、マスト細胞、好酸球が経日的に消化管組織のどの層に動員されるのかを免疫組織化学的に検討し、TRPV1チャネル発現一次知覚神経との位置関係を解析した。その結果、炎症時には結腸粘膜層にマクロファージ、好中球、粘膜型マスト細胞、好酸球が大量に集積されることを観察したが、炎症が収まると次第にマクロファージ、好中球、好酸球は減少した。一方、粘膜型マスト細胞のみが残り、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)発現一次知覚神経線維の周りに集積していた。粘膜型マスト細胞から遊離されるトリプターゼが一次知覚神経線維に発現するプロテアーゼ活性化受容体PAR2を刺激することで痛覚過敏を引き起こしていることが推察された。 (3)潰瘍性大腸炎寛解期過敏性腸症候群モデルの結腸粘膜を採取しフローサイトメーターで免疫細胞の経日的変化を測定したところ、14日目においても結腸粘膜に粘膜型マスト細胞が残存していた。機能性消化管障害には粘膜型マスト細胞が腸粘膜に残っていることが重要な要因と考えられる。 (4)粘膜型マスト細胞の遊走を抑制する作用を有するケトチフェンの作用を検討したところ、ケトチフェンは骨髄から腸粘膜への粘膜型マスト細胞の遊走を抑制することで痛覚過敏を抑えることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費申請書に記載した2023年度の研究内容はおおむね達成でき、成果を上げることができた。ただし、TRPM8の免疫組織化学的染色はあまり思ったようにはいかなかった。2024年度はTRPM8の染色に取り組み、得られた知見をさらに展開させて、申請書に記載された研究項目を実施していく。
|
Strategy for Future Research Activity |
機能性消化管障害病態モデルの消化管疼痛過敏反応、消化管運動異常亢進とストレス負荷による運動抑制において、骨髄から遊走されてきた粘膜型マスト細胞とTRPチャネル発現一次知覚神経の連関を介しているか検討を進める。 (1)病態モデルにおいて、TRPV1作動薬カプサイシン、TRPM8作動薬WS-12の結腸投与によって誘起される疼痛反応(腹部をなめる、腹部を伸ばすなどの行動反応の回数、痛みにこらえる無動時間)を測定することで内臓痛覚過敏を評価する。さらに、炎症によって腸粘膜に遊走されるマクロファージや粘膜型マスト細胞の動態を抑制するケトチフェンやリポソーマルクロドロネートを用いて内臓疼痛過敏反応を検討する。これにより病態モデル動物消化管において、温度感受性TRPチャネル発現一次知覚神経と免疫細胞が連関することで消化管痛覚過敏反応を引き起こしているのかを検討する。 (2)病態モデル動物において、TRPチャネル作動薬投与による消化管運動亢進を検討する。病態モデル動物において、FITCデキストラン法(小腸運動)・ビーズ法(結腸運動)・糞排出法(結腸直腸運動)を用いて覚醒下動物の消化管運動を測定する。さらに、炎症によって腸粘膜に遊走されるマクロファージや粘膜型マスト細胞の動態を抑制するケトチフェンやリポソーマルクロドロネートを用いて消化管運動過敏反応を検討する。これにより病態モデル動物個体における温度感受性TRPチャネル発現一次知覚神経と免疫細胞の連関を介する消化管運動過敏反応を検討する。
|