Research of developing a novel liver-friendly treatment for tuberculosis using natural compounds
Project/Area Number |
22K06693
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47050:Environmental and natural pharmaceutical resources-related
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
森 茂太郎 国立感染症研究所, 細菌第二部, 室長 (60425676)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 結核 / リファンピシン / イソニアジド / tanshinone / 天然化合物 / 抗結核菌活性 / tanshinones / 薬物性肝障害 |
Outline of Research at the Start |
結核の治療では複数の抗結核薬を長期間服用するため, 副作用として重篤な肝障害の発生が大きな問題となっているものの, 十分な解決策は示されていない。そこで本研究課題では, 肝臓に優しい新規結核治療法を開発することを目標として, 天然化合物ライブラリーを用いたスクリーニングやトランスポゾンシーケンシング, 肝臓組織のメタボローム解析などを行うことによって, 抗結核薬の活性を増強するとともに肝障害を緩和する天然化合物を同定し, その作用機序を解明することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き, 化合物ライブラリーを用いて既存の抗結核薬 (イソニアジド; INHやリファンピシン; RFP) の抗結核菌活性を増強する効果を持つ化合物のスクリーニングを行った。具体的には, 7H9+glycerol+OADC 液体培地に化合物 (終濃度50μM) のみを加えた条件と, 化合物 (終濃度50μM) とRFPまたはINH (終濃度0.02μg/mL; 最小発育阻止濃度の1/3以下) を合わせて加えた条件でそれぞれ結核菌H37Rv株の培養を行い, 抗結核菌活性を示す化合物の探索を行った。3つの天然化合物ライブラリー (合計3,232品目, 一部重複あり) を用いたスクリーニングの結果から, 単独では抗結核菌活性を示さないがINHと併用した場合に抗結核菌活性が認められる化合物を114品目見出した。これらの化合物はINHの抗結核菌活性を増強していると考えられた。さらに, そのうち47品目の化合物はRFPとINHの両方の抗結核菌活性を増強する効果があることが示唆された。また, 第II相臨床試験で脱落した化合物 (天然化合物の誘導体を含む) のライブラリーを用いたスクリーニングでは, 新たに97品目をRFPの抗結核菌活性を増強する化合物として同定した。 RFPの抗結核菌活性を増強するとともに既存の抗結核薬が示す肝障害を軽減する作用を持つことが期待される化合物として見出しているtanshinonesの標的について, 細胞壁に存在しているタンパク質や脂質であることを示す結果をこれまでに得ているが, 一方で菌体内にも標的が存在することも示唆されていた。そこで, 昨年度までに得られていたtanshinones低感受性株のゲノム情報について再解析を行った。その結果, tanshinonesが解糖系やTCA回路に関わる酵素を標的としている可能性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに結核菌H37Rv株を用いた化合物スクリーニングを進め, 計画通りにRFPやINHの抗結核菌活性を増強する化合物を同定した。また, RFPの抗結核菌活性を増強するとともに既存の抗結核薬が示す肝障害を軽減する作用を持つことが期待される化合物として見出しているtanshinonesの標的について, 低感受性株のゲノム情報を再解析することによって新たな知見を得た。一方で, 今年度はヒト肝癌由来細胞であるHepG2細胞を用いて既存の抗結核薬による肝細胞障害を軽減する天然化合物のスクリーニングも進めたが, RFPあるいはINHの抗結核菌活性を増強するとともにこれらによる肝細胞障害を軽減する作用を示す化合物を新たに同定するまでには至らなかった。本研究課題の目標である肝臓に優しい新規結核治療法の開発に向けては, 既存の抗結核薬の抗結核菌活性を増強するとともにこれらによる肝障害を軽減する作用を持つことが期待される候補化合物をtanshinones以外にも新たに複数見出すことが望ましいことから, 現在までの進捗状況についてやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き, RFPあるいはINHの抗結核菌活性を増強するとともに, これらによる肝障害を軽減する作用を持つことが期待される候補化合物を新たに同定することを試みる。まず, これまでにスクリーニングに供したライブラリーに含まれていなかった天然化合物 (968品目) について, 化合物のみを培地に含む条件と化合物に加えてRFPやINHも培地に添加した条件でそれぞれ抗結核菌活性の測定を行う。また, HepG2細胞を用いて既存の抗結核薬による肝細胞障害を緩和する作用についても検討を行う。見出した候補化合物について耐性株や低感受性株の取得を行い, そのゲノム情報を解析することによって作用機序を推定する。見出された標的候補が酵素などのタンパク質であった場合は, in silicoによるドッキングシミュレーションなどを行い, 詳細な作用機序の解明を試みる。また, ラットを用いた動物実験を行い, 肝臓保護作用の機序についても明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)