リアルワールドデータに基づく重症皮膚副作用発症機序の解明と予測法の開発
Project/Area Number |
22K06707
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
植沢 芳広 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (90322528)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | スティーヴンス・ジョンソン症候群 / 中毒性表皮壊死融解症 / 重症皮膚副作用 / 医薬品副作用データベース / 機械学習 / QSAR解析 / 核内受容体 / ストレス応答パスウェイ / 副作用データベース / 定量的構造活性相関 / 化学構造 / 人工知能 |
Outline of Research at the Start |
重症皮膚副作用は副作用データベースに登録された指定難病の副作用報告度数の半数以上を占めることから、副作用関連イベントにおいて量・質ともに最重要な治療ターゲットの一つである。しかし、臨床的治療法はステロイド投与などの対症療法のみであることから、新規な治療法の確立のために発症メカニズムの解明が望まれる。本研究では、大規模副作用データベースと生化学的毒性発現経路データベースを化学構造によって統合し、重症皮膚副作用の発症機序を明らかにする。さらに、情報の少ない新薬や治験薬に対する本症発症の可能性を予測する機械学習モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)・中毒性表皮壊死融解症(TEN)等からなる重傷皮膚副作用(SCAR)は、重篤な皮膚粘膜障害を引き起こす予後不良の疾患である。本症に対する現在の治療はステロイド全身投与や免疫グロブリン大量療法等の対処療法が中心となっているが、発症メカニズムに基づく新規な治療法の確立が望まれる。 2023年度は、2022年度に副作用データベース解析を用いて推定したSCAR誘発医薬品を精査することによって、偽陽性のシグナル検出例の排除等により信頼性の高いデータセットを構築した。さらに、副作用データベース掲載医薬品をATC分類によって評価し、SCAR誘発医薬品に全身用抗菌薬や抗てんかん薬が多数含まれることを確認するとともに、性ホルモン・生殖器系モジュレーターや免疫抑制薬がSCARの誘発に抑制的に作用する可能性を示した。次に、この高信頼性データセットをin-house機械学習予測システムに適用することによって、種々核内受容体およびストレス応答パスウェイのアゴニスト・アンタゴニスト活性をQSAR予測した。その結果、レチノイン酸受容体に対するアンタゴニスト活性が有意にSCARの発症に関与していることが示された。一方、SCARの発症抑制に寄与する生化学的要因を解析したところ、カスパーゼに対する誘導作用がグルココルチコイド受容体、エストロゲン受容体等のステロイドホルモン受容体、アロマターゼ阻害活性、PPARγアゴニスト活性等とともに検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新年度に入り新たに追加された副作用データを追加したデータベースの再構築を行った。その過程において低分子医薬品の化学構造情報を既存の公開データベースより収集したが、立体構造情報等の詳細に関して厳密に精査することによって収集プログラムの動作実験を含む種々の試行が必要となった。また、前年度に実施したシグナル検出指標の判定に必要な重症皮膚副作用の定義に関する精査等の実験条件の整理に時間を費やした結果、研究の進捗に若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、副作用データベースに掲載された医薬品の化学構造を用いて、重症皮膚副作用の誘発予測モデルを構築し、その精度を評価しながら高精度な予測モデルへと改善していく。さらに、重症皮膚副作用を示す複数の副作用語と副作用誘発医薬品の関係を、報告オッズ比に基づいたクラスター解析および主成分分析によって検討することにより、発症に関連した情報の抽出を試みる。この検討で得られた主成分を新規な評価指標として機械学習の目的変数とした誘発医薬品予測モデルの構築を試みる。 次に、多様な化合物に関して本予測モデルを適用していく。具体的には、米国Tox21プロジェクトが構築したTox21 10Kライブラリに登録されている化合物のSCAR発症リスクの網羅的推定を実施する。また、同Tox21プロジェクトが公表している59種類の核内受容体・ストレス応答パスウェイのアゴニスト・アンタゴニスト活性予測モデル(構築済み)を用いて、副作用データベース中の医薬品の活性を推定するとともに、副作用データベースに掲載されていない多様な化学物質の重症皮膚副作用を推定する。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)