アダプタータンパク質とPDZタンパク質の相互作用がもたらすCDC-48の機能制御
Project/Area Number |
22K06886
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山中 邦俊 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (90212290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | AAAシャペロン / CDC-48 / 寿命 / PDZドメイン / AAAタンパク質 / 線虫 |
Outline of Research at the Start |
PDZ結合モチーフタンパク質と足場タンパク質であるPDZドメインタンパク質の結合・解離をASPS-1-CDC-48シャペロン複合体が制御しているというモデルを提唱している。これをもとにCDC-48のNドメインアダプターであるASPS-1の「特異的基質」を同定する。本研究ではこの新規モデルを証明し、ASPS-1-CDC-48シャペロン複合体に制御される寿命・細胞増殖制御・匂い感知経路を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
CDC-48は、極めて多岐にわたる機能に関わるAAAシャペロンである。Nドメインアダプター(20数種類)がそれぞれに特異的な基質を認識し、 C末端アダプター(数種類)が基質をどのように処理するかを規定している。しかしながらどのようにしてNドメインアダプターは自身の「特異的基質」を探し出すのかはいまだに明らかではない。線虫NドメインアダプターASPS-1の機能解析を行う過程で、ASPS-1-CDC-48複合体が、寿命や匂い感知機能に関わっていることを見出している。さらにそれぞれの経路において、PDZ結合モチーフタンパク質やPDZドメインタンパク質と遺伝子間相互作用することも発見している。 昨年度、CRISPR/Cas9法によりN末にFLAGタグを付加したASPS-1を発現する線虫を構築した。FLAGタグを利用した免疫沈降実験から、CDC-48は検出できたがそのアダプターはどれも検出できなかったことから、ASPS-1はCDC-48の解体因子でありデフォルト化に機能している可能性が示唆された。 そこでASPS-1を対象とした免疫沈降物をブルーネイティブ電気泳動法により分離し、抗FLAG抗体および抗CDC-48抗体を用いたウエスタン法により解析した結果、ASPS-1-CDC-48複合体は、ヘテロ二量体もしくはヘテロ四量体として存在していることがわかり、ASPS-1はCDC-48の解体機能を持つNドメインアダプターであると結論づけた。また、CDC-48のN末にFLAGタグを付加した線虫を用いた免疫沈降物をブルーネイティブ電気泳動法・ウエスタン法により解析した結果、ASPS-1の存在有無に関わらずCDC-48の存在様式(六量体)には差は認められなかった。ASPS-1の存在量はCDC-48の200~300分の1である結果から、これは妥当であると推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas9法を用いて、現時点で必要とされるタグ付きタンパク質を発現する線虫株を構築することができ、それらを用いた免疫沈降実験も進行していること、また必要な種々の変異株の準備もできていること、ブルーネイティブ電気泳動法もうまく稼働するようになったことから、今後はそれらの解析に進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
線虫においてもASPS-1はCDC-48の解体因子でありデフォルト化に機能していることが明らかとなった。ASPS-1単独欠損変異体は、長寿命の表現型を示すが、熱ショックや小胞体ストレスに対する感受性には影響が観察されなかった。これらの結果をまとめるにあたり必要な定量実験や追加実験を行い年度内の論文化を目指す。 昨年、ヒトASPS-1ホモログがVCPを解体することで、VCPがトリメチル化されるようになることが報告された。まずは線虫においても、CDC-48 (VCPホモログ) がトリメチル化修飾を受けているか否かをトリメチル化検出抗体を用いて調べる。次にASPS-1の存在有無でCDC-48のトリメチル化状態が影響を受けるかについて明らかにする。またトリメチル化酵素の変異を導入することで、これまでに明らかにしてきたASPS-1変異が示す長寿命化や臭い検知機能に及ぼす影響、CDC-48の機能や存在様式にどのような影響を及ぼすかも検討する。 これらの結果を踏まえ、ASPS-1がもたらす細胞内機能を総括する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)