ARF6-AMAP1経路による細胞内動態変動と免疫回避作動の分子機序の解明
Project/Area Number |
22K06890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 あり 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60390803)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ARF6 / AMAP1 / 免疫回避 / ケモカイン / 間葉形質 |
Outline of Research at the Start |
ARF6-AMAP1経路がβ1インテグリン、E-カドヘリンのリサイクリングを制御し、細胞浸潤性に関与すること等を報告してきたが、腫瘍組織における免疫回避の誘導に転写因子の細胞内動態制御を介してケモカイン遺伝子群の発現変換を駆動していることを新たに見出した。本研究は、癌悪性度進展に関わる間葉形質シグナルARF6-AMAP1経路が機能の異なるケモカイン群の発現を特定の転写因子の細胞内動態制御を介して仕分け、免疫抑制環境が形成される分子実態を解明することを目的とする。本研究を推進することにより、新しい視点からの間葉形質が駆動する免疫抑制環境形成の分子基盤の解明が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、膵癌のドライバー遺伝子KRAS変異とTP53変異が協調してARF6-AMAP1経路を高発現させ活性化することにより浸潤・転移等の悪性度進行、さらに膵癌モデルマウス由来細胞を用いた解析から免疫回避にも関与することを見出した。膵癌は間葉形質関連遺伝子プロファイルを示すサブグループが予後不良であり、膵癌微小環境において免疫抑制環境を形成していることが知られている。 本研究は、間葉形質を有する膵癌においてARF6-AMAP1経路が如何にして免疫回避を駆動しているのかを明らかにすることを目的とした研究である。膵癌モデルマウスを用いた腫瘍微小環境に関する解析を進めた結果、ARF6-AMAP1経路が腫瘍組織への免疫細胞の浸潤割合を変化させ、免疫抑制環境の形成に関与していることを見出した。さらに、ARF6-AMAP1経路が当該免疫細胞群の集積を説明しうるケモカイン産生変換に関与する知見を得た。即ち、膵癌細胞を用いたRNA-seq.解析から、刺激依存的にARF6-AMAP1経路が抗炎症性(腫瘍促進性)ケモカインの発現誘導、炎症促進性(抗腫瘍性)ケモカインの発現抑制に関与していることを見出した。引き続き、細胞質画分と核画分を用いた質量分析解析により、ARF6-AMAP1経路が刺激依存的に当該ケモカイン遺伝子発現に関わる特定の転写因子の核内存在量の制御に関与する知見を得た。ARF6-AMAP1経路活性による抗炎症性ケモカイン産生の制御機構を明らかにするために、特定の転写因子の核移行に関わる複数の候補因子の同定を行なった。一方、ARF6-AMAP1経路による炎症促進性ケモカインの発現制御機構に関しても、制御に関わる因子を複数同定した。これらの解析により、ARF6-AMAP1経路が特定の転写因子を介してケモカイン産生変換を制御することにより免疫回避に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ARF6-AMAP1経路が膵癌モデルマウスの腫瘍組織において、免疫細胞の浸潤の割合を変化させ、免疫抑制的微小環境を形成することを実証した。また、当初計画していた(1) ARF6-AMAP1経路による腫瘍促進性(抗炎症性)ケモカインの発現制御機構の解析、(2) ARF6-AMAP1経路による抗腫瘍性(炎症促進性)ケモカインの発現制御機構の解析の研究に着手し、複数の候補因子の同定を行うことが出来た。今後、それらの分子機序の詳細を明らかにすることにより、新しい視点からの膵癌における免疫回避の理解につながる知見を得ることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り研究を進めていく予定である。ARF6-AMAP1経路による炎症促進性/抗炎症性ケモカイン発現制御機構に関し、同定した候補因子とARF6-AMAP1経路構成分子群との相互作用の有無、当該経路活性化との関連、炎症促進性ケモカイン産生あるいは抗炎症性ケモカイン抑制との関連についての解析を進める。さらに、ARF6-AMAP1経路構成分子群との相互作用が検出された場合、質量分析等により、関連する因子を網羅的に解析し、詳細な分子機序を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Presentation] Arf6, the evolutionarily oldest G protein, is at the core of driving malignancy and immune evasion of pancreatic cancer cells2022
Author(s)
Soichiro Hata, Ari Hashimoto, Haruka Handa, Akio Tsutaho, Takao Yoshida, Yasuhito Onodera, Satoshi Hirano, Masahiro Sonoshita, Shigeru Hashimoto, and Hisataka Sabe.
Organizer
The 7th JCA-AACR Special Joint Conference
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Int'l Joint Research
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