Project/Area Number |
22K07006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 泉 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 講師 (80611037)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 腹腔常在マクロファージ / 小胞体ストレスセンサーIRE1α / PYRINインフラマソーム / 炎症性サイトカインIL-1β / 腹腔マクロファージ / 小胞体ストレス応答 / インフラマソーム |
Outline of Research at the Start |
コレラ毒素(Cholera toxin: CT)は、免疫アジュバント作用があるが、その分子機序は不明である。我々は、CTがマウス腹腔マクロファージに作用し炎症性サイトカインIL-1βの産生を誘導すること、この誘導に細胞内輸送関連分子が関与することを見出した。本研究では、この新規IL-1β産生誘導機構の分子機序とその機能的意義を解明する。細胞内輸送関連分子は、タンパク質の品質管理機構に必須であり、近年では自己炎症性疾患の病態形成に関与することも明らかになっている。本研究は、CTの免疫アジュバント活性の分子機序の解明だけでなく、自己炎症性疾患の新規治療薬開発にも貢献することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
コレラ毒素(Cholera toxin: CT)は、免疫増強作用を有することが知られている。しかし、その分子基盤は不明な部分が多い。我々は、これまでCTがマウスの腹腔に常在するマクロファージに作用し、リポ多糖と協調して炎症性サイトカインIL-1βの産生を誘導すること、この誘導に細胞膜上糖脂質ガングリオシドGM1が必須であることを明らかにしてきた。この分子機序を解析する過程で、この誘導に小胞体-ゴルジ体間輸送関連分子が関与することを見出した。本研究ではこの新規IL-1β産生誘導機構の分子機序と、CTによる免疫増強活性における小胞体-ゴルジ体間輸送関連分子の機能的意義を解明する。 令和5年度では、マクロファージ特異的IRE1α欠損マウスを用いて、小胞体ストレスセンサーIRE1αのIL-1β産生誘導への関与を検討した。野生型マウス由来腹腔マクロファージと比べ、IRE1α欠損腹腔マクロファージにおいてCTによるXBP1のスプライシングとIL-1β産生誘導が有意に障害されていた。これらの結果から、小胞体ストレスセンサーIRE1αはCTによるIL-1β産生誘導に必須の役割を果たすことが明らかになった。この成果を国際学術雑誌Cell Reports(インパクトファクター:8.8 @2022)に投稿し受理された(I. Sasaki et al., Cell reports 2024;43: 113981.)。この知見は、組織に常在するマクロファージにおいてタンパク質品質管理機構と炎症誘導機構がクロストークすること、小胞体ストレスセンサーIRE1αが微生物由来毒素の細胞内病原体センサーとして機能することを示唆するものであり、新規の免疫増強剤の開発や、IL-1βが関与する様々な炎症性疾患の病態解明および新規治療薬の開発に貢献することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、CTによるIL-1β産生誘導や免疫アジュバント活性における小胞体-ゴルジ体間輸送関連分子の機能的意義を解明することである。令和5年度では、遺伝子改変マウスを用いて、CTによるIL-1β産生誘導における小胞体関連分子の関与の解明を目指していた。当初の計画通り、遺伝子改変マウスを用いて小胞体ストレスセンサーIRE1αがCTによるIL-1β産生誘導に関与することを明らかにし、成果を国際誌に発表することができた。以上の観点から、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度では、CT以外の微生物由来毒素によるIL-1β産生誘導においても小胞体-ゴルジ体間輸送関連分子が関与するかどうかを検討し、小胞体-ゴルジ体間輸送関連分子の新規機能的意義を明らかにする。
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