Project/Area Number |
22K07063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
見理 剛 国立感染症研究所, 細菌第二部, 部長 (80270643)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | Mycoplasma pneumoniae / Mycoplasmoides / 細胞接着タンパク質 / 感染防御モノクロ抗体 / ワクチンデザイン / エピトープ解析 / 滑走運動性 / 構造解析 / モノクロ抗体 / 感染防御抗体 / cytoadherence / structural analysis / monoclonal antibody / vaccine antigen |
Outline of Research at the Start |
マイコプラズマ肺炎患者の血清中には、原因菌であるMycoplasma pneumoniae (Mp) の細胞接着を阻害する抗体が現れ、病気の治癒に寄与している。細胞接着阻害抗体の多くは Mp の P1 細胞接着タンパク質複合体を認識する。本研究計画では細胞接着阻害抗体が作用する分子メカニズムを調べ、将来のワクチン開発の可能性を検討するため、1) 細胞接着阻害活性のあるモノクロ抗体が P1 に結合した状態の構造を解明する。2) 細胞接着阻害エピトープの情報からワクチン抗原候補をデザインし、これを動物に投与して細胞接着阻害抗体が効率よく産生されるかを調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
M. pneumoniae の細胞接着を強く阻害する抗P1モノクローナル抗体(P1-MC4)は、P1タンパク質のC末側を抗原として作製された。段階的にアミノ酸配列を欠失させた組換えP1を用いたウエスタンブロット分析では、P1-MC4が認識するエピトープはC末端側の13アミノ酸残基T1426-D1438(TDLFDPVTMLVYD)だった。また、P1-MC4抗体のアミノ酸配列も明らかにした(DDBJ/ENA/GenBank Accession No.LC600310、LC600311、LC600312)。細胞接着阻害の機序を詳しく知るため、P1-MC4のFab 断片と精製P1の結合体を調製し結晶化を試みた。しかし、結晶は得られなかった。P1-MC4は2種類のL鎖を含んでおり、これが結晶が得られない大きな要因と考えられた。大阪大学、スペイン IBMB-CSIC との共同研究で、クライオ電子顕微鏡によるP1-Fab結合体の構造解析を行い2.4Åの解像度で構造を解明した(EMDB: 8ROR)。構造解析でもP1-MC4のエピトープ部位はウエスタンブロットで調べた13アミノ酸と同じであることが確認された。P1はP40/P90 とそれぞれが2分子ずつの4量体構造で細胞接着タンパク質として機能していると考えられているが(Nap構造)、構造解析データはNap構造が閉じた状態では、P1-MC4抗体がエピトープ部位にアクセスできないことが示された。P1-MC4が細胞接着阻害活性を発揮する過程ではNapが動的な構造変化を起こしP1-MC4がエピトープにアクセスできる開いた構造をとると考えられる。このような、構造解析の知見に基づき、細胞接着阻害抗体を効率よく誘導するワクチン抗原のデザインを進めている。また、細胞接着阻害抗体の誘導が、 M. pneumoniae の感染防御に有効かを検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
構造解析によって P1-MC4が作用する分子機構がかなり明らかになったが、この情報を利用して、細胞性接着阻害抗体を効率よく誘導するワクチン抗原のデザインと、その実証実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
エピトープ解析によって得られた P1タンパク質の13 アミノ酸の配列、および、その近傍の配列を含む抗原タンパク質を複数デザインして作製する。抗原タンパク質でマウスを免疫することによって細胞接着阻害抗体が生産されるか実験を行う。細胞接着阻害抗体が効率よく生産される抗原タンパク質を選び、ワクチン抗原候補とする。マウスへの投与方法はタンパク抗原の投与のみではなく、DNA、RNA核酸ワクチン形式での投与方法も検討する。
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